日本マクドナルドが使用期限切れの疑いのある鶏肉を使ったチキンナゲットの販売停止
【2014年7月22日】
日本マクドナルドは、中国の報道機関が、使用期限切れの食肉を混ぜた商品を供給していると報じた同国の食品加工会社から、チキンマックナゲットの全体の約2割を調達していたことを発表した。今回の問題を受け、日本マクドナルドはこの食品加工会社製のチキンナゲットの販売を停止し、別の会社の製品に切り替えている。[1]
問題の会社はアメリカの食品卸売り会社「OSIグループ」の傘下にある中国の現地法人・「上海福喜食品」。同社の従業員が工場の床から食肉を拾ったり、使用期限が切れた食肉を混ぜている様子がテレビを通して報道されており、同社から食肉を仕入れているマクドナルドや、ケンタッキーフライドチキンのそれぞれのアメリカ本部の運営会社は、相次いで中国の消費者に対して謝罪をしたほか、スターバックスのアメリカ本部も中国の一部店舗で販売した商品に上海福喜食品から仕入れた鶏肉が含まれていたことを公表している。今回の問題を受けて、上海市の当局は、現地7月20日に上海福喜食品の工場を閉鎖する処置を取った。[2]
日本マクドナルドは、品質を保つための使用期限切れの鶏肉が混入している恐れがあるとして、7月21日から上海福喜食品から仕入れたチキンナゲットの発売を全国の店舗で中止する処置を取った。日本マクドナルドによると、全国の約1340の店舗で上海福喜食品製造のチキンナゲットを販売し、そのうち在庫がすべて同社の製品だったとする約500店舗ではチキンナゲットの発売を完全に停止したが、遅くても23日までには他社の製品に切り替えて配送を再開するとしている。[1]
日本マクドナルドによると、これまでのところ健康被害などの情報は確認されていない。同社は「お客様にご不便・ご心配をおかけして、大変申し訳ございません」とコメントしている。[3]
ファミリーマートもチキンナゲットの販売中止 再発売せず
[編集]コンビニのファミリーマート(ファミマ)も7月22日、上海福喜食品の使用期限切れ鶏肉問題を受けて、同社から調達したとされる「ガーリックナゲット」と「ポップコーンチキン」の2品を販売停止にしたと発表した。この商品は全国で123万個が販売されたが、「健康被害の報告はない」(ファミマ広報)とされている。[4]
このうち、「ガーリックナゲット」は7月1日から全国約1万店舗で販売を開始、「ポップコーンチキン」も7月21日から東京都内など10店舗に限定した試験販売を開始したばかりだったという。[5]ファミマ広報は「期限切れの肉を使用していたかは確認中だが、安全性を第一に考えて(当該商品2種を)撤去した。再販売予定はない」と述べている。[6]
中国国内でも上海福喜食品製食材をファーストフード店に提供
[編集]上海市は、上海福喜食品を立ち入り調査した結果、中国国内に展開しているマクドナルドやピザハット、バーガーキングなどのファーストフードチェーン店や、セブンイレブンの上海市内の店舗など、9つの会社に上海福喜食品製の食材を提供したことを発表した。セブンイレブンの店舗では、上海福喜食品から仕入れていた食材を使用して製造したハンバーガーも販売していたが、この問題が指摘されてから販売中止にしている。[7]
情報源
[編集]- ↑ 1.0 1.1 『マクドナルド、期限切れ疑いのナゲット販売停止』 — 日本経済新聞, 2014年7月22日
- ↑ 東京 22日 ロイター 『中国企業の食肉安全問題、米スタバや日本マクドナルドに拡大』 — ロイター, 2014年7月22日
- ↑ 『ファミリーマートもナゲットなど販売中止』 — 日本放送協会, 2014年7月22日
- ↑ 『ファミマも上海業者の鶏肉を使用 22日に販売停止、マックに続き公表』 — 産経新聞, 2014年7月22日
- ↑ 『ファミリーマートもナゲットなど販売中止』 — 日本放送協会, 2014年7月22日
- ↑ 『期限切れ肉、国内流通か=マクドナルド、ファミマが販売中止』 — 時事通信社, 2014年7月22日
- ↑ 『期限過ぎた食材 中国国内では9社に販売』 — 日本放送協会, 2014年7月22日
外部資料
[編集]- 『上海福喜食品有限公司に関する報道につきまして』 — 日本マクドナルド, 2014年7月22日
- 『「上海福喜食品有限公司」に関する報道につきまして』 — ファミリーマート, 2014年7月22日(※PDFファイル)