中国の期限切れ肉事件 ずさんな管理体制が明るみに

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)
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【2014年7月24日】

アメリカの食品卸売り会社「OSIグループ」の傘下にある中国の現地法人・「上海福喜食品」が使用期限が切れた肉類を加工して供給していたとする問題で、上海市のテレビ局は、当初指摘されてきたチキンナゲットなど鶏肉の期限切れだけでなく、牛肉についても管理がずさんな体制であるとの実態を報じており、今回の問題の対象が鶏肉以外に広がる恐れがある。[1]

今回の問題は上海市のテレビ局が約2か月に及ぶ取材を経て現地7月20日に報道したことがきっかけで発覚したものである。テレビ局の取材では、白衣にマスクや手袋を着用した同社の作業員らが、18t(トン)の鶏肉を運んで加熱・加工し、商品としていたが、記者がその肉の入った袋を触り、表示を見ると、品質保持期限が半月近く過ぎていた商品が多かったという。[2]

しかし作業員は「関係ない。運べ」と指示を出したとしている。ある作業員はテレビ局のインタビューで「期限切れで食べても、死にはしない」と答えている。更に別の作業員は古い商品を混ぜて新商品として作る作業については「混ぜる割合がある。多すぎると食感が変わる。普通は(割合は)5%だ」と述べている。[2]

更に2013年5月生産の冷凍の小型ステーキについても、通常半年間とされる品質保持期間を2014年6月と書き換えたり、作業員が「(古くて)臭いがする」牛肉までも加工に使っていたとされており[2]、別のレストランチェーンに納品しようとした加工品に、消費期限を7か月も過ぎ、カビで青く変色していた肉を使っていた。[3]

また、機械から工場の床に落ちた原材料の肉を従業員が拾い、それを生産ラインに戻す作業も映像に収録されたうえでテレビに放映され、上海福喜食品の衛生管理のずさんさの実態も明らかになっている。[1]

OSIグループは今回の事件発覚後、「行員の個人的な行為」とする見解を示していたが、上海市は工場ぐるみで意図的に不正したという見方を強めており、同市の食品・薬品監督局と公安当局は、合同指揮部を設置して調査をしており、上海福喜食品から今年1月以後の原料の仕入れ、生産加工、品質管理、売上などの記録の提出をさせるようにしたほか、同工場に保管してある肉の原料103tと「チキンマックナゲット」などの製品・5108箱を押収しており、責任者が刑事責任に問われる可能性もある。[1]

また中国政府の食品監督部門は、今回の問題を受け、上海福喜食品と同じ企業グループの別工場についても徹底的に調査を行うように指示を出し、これまでに当局は上海福喜食品から出荷された食材のうち、広東(かんとん)省で14t、河北省で11t、四川(しせん)省成都市で9.6tをそれぞれ押収した。[4]

中国では、2007-08年にかけて河北省のメーカー製の餃子からメタミドホスなどの有機リン系殺虫剤成分が検出され、千葉県などで食べた10人が食中毒を訴えた「毒餃子事件」や、2004年に安徽(あんき)省で粗悪な粉ミルクを飲んだ乳児170人以上が栄養失調に陥り少なくとも13人が死んだ「偽粉ミルク事件」、さらには2008年に河北省の別のメーカー製の粉ミルクからメラニンが検出され6人の乳幼児が死に、約30万人が腎臓結石などを訴えた「毒粉ミルク事件」など、食の安全性を揺るがすトラブルが相次いでおり、これらの過去の教訓が今も生かされていないようであると日刊スポーツは伝えている。[3]

情報源[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 上海=加藤直人 『期限切れ肉 鶏以外もずさん管理 上海の会社責任者聴取 組織的に不正か』東京新聞(TOKYO web)、2014年7月23日。
  2. 2.0 2.1 2.2 北京=牧野田亨 『作業員「死にはしない」…中国の古い肉期限偽装』読売新聞(YOMIURI ONLINE)、2014年7月23日。
  3. 3.0 3.1 『期限切れどころか…ひど過ぎる中国の食装』日刊スポーツ(nikkansports.com)、2014年7月24日。
  4. 『グループ企業へ徹底調査指示 中国・期限切れ肉問題』テレビ朝日(テレ朝NEWS)、2014年7月23日。

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