オムロンがJR線の乗降客映像を無断で他の研究に流用 2憶5000万円を受け取る

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)
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2014年鉄道関連ニュース

【2014年7月20日】

電子機器メーカーのオムロンJR東日本の4つの駅で撮影した乗降客の映像を無断で他の研究に流用し、総務省の外郭団体より約2億5000万円を受け取っていたことが明らかになった。[1]

オムロンによると、JR東日本からの委託を受けた利用客の流動調査のために改札口付近に設置したカメラで利用客を撮影、その解析結果をJR東日本に提出・報告したもので、今回無断で独立行政法人・「情報通信研究機構(NICT)」の研究に流用されたのは、国分寺駅国分寺市)、板橋駅板橋区)と、桜木町駅横浜市)、熱海駅熱海市)の4つの駅で撮影されたものである。[2]撮影時間は少なくとも120時間以上に及んでいる。[1]

映像は2008-09年に撮影したものと見られており、JR東日本の了解を得ないで他の目的には使わず、一定の期間が経過したら破棄・返却するという契約条件があった。[2]

オムロンは2006-10年度にかけて、総務省管轄のNICTが行う公募事業に参加し、撮影した映像を使って改札の不正通過や、ケンカ、うろつきといった不審行動を追跡するためのシステムを開発。この時に総務省から約2億5000万円を研究費用として受け取っていたという。[3]

またこれとは別に文部科学省の公募事業に関連して、オムロン本社から分社化した子会社のオムロンソーシャルソリューションズも2012年の5月と7月の2回に分けて、JR京都駅ビル京都市)の利用客を、同ビルの管理者の許可なしで無断撮影していたこともわかった。こちらは利用客100人程度の人の流れを追跡する技術を開発する目的で行われ、文部科学省から約2億4000万円を研究費として受け取っていた。[2]

以上のことを受けて、オムロンはオムロンソーシャルソリューションズ内に再発防止委員会を設け、映像の管理体制の強化と法令順守(コンプライアンス)徹底を図るとともに、今回の問題に関与した社員20数人についても処分を検討するとしている。具体的な再発防止策としては、外部から得た映像を利用する際のルール策定や、映像をコンピュータで一元管理化し、この映像をいつ、だれが、何の目的で持ち出したかを確認できるシステムの構築、オムロングループ全社員の個人情報保護に関する社内教育の実施などを計画している。[3]

オムロンソーシャルソリューションズは「JR東日本の駅で撮影した映像を研究に無断流用したことはあってはならないことで非常に反省している。その他の場所についても、施設管理者と相談して、撮影された人たちのプライバシー保護に配慮する予定だったが、結果的にはできていなかった。社員の意識が低く、組織としてのチェックも働いていなかった。再発防止に努めたい」と述べ、またJR東日本も「オムロンとは秘密保持契約を結んでいたが、実際には、データを保管し、NICTの研究に使っていたとオムロンから報告を受けた。あってはならないことで厳重に抗議した。オムロン側に残っていた映像は、直ちに返却や破棄をさせた。今後、どのような実害が出たかの確認をした上で、オムロンへの対応を考える。我々も、社外に発注する際の映像の扱いなどを厳重に確認していなかったことを反省している」と話している。[4]

情報源[編集]

  1. 1.0 1.1 『JR乗降客映像を無断流用 オムロンが「不審行動」解析』朝日新聞(朝日新聞デジタル)、2014年7月12日。
  2. 2.0 2.1 2.2 『オムロン、4駅の利用客映像を無断で流用 2.5億円受け取る』日本経済新聞(日経電子版)、2014年7月12日。
  3. 3.0 3.1 共同通信 『オムロン、乗客の映像を無断流用 桜木町など4駅で』神奈川新聞(カナロコ)、2014年7月13日。
  4. 『オムロン「チェック働かなかった」 駅映像の無断流用』朝日新聞(朝日新聞デジタル)、2014年7月12日。