エボラ熱の死者、2014年8月からの1か月で倍増 - WHO集計
【2014年9月6日】
世界保健機関は現地時間9月5日(ジュネーブ UTC+2・夏時間)、西アフリカで流行している、エボラ出血熱に感染が確認されたか、もしくは感染の疑いのある死亡者が、2,105人となったことを発表した[1]。
世界保健機関が9月5日に集計したエボラ出血熱の感染が確認されたもしくは感染の疑いがある国とその人数は、ギニア、リベリア、シェラレオネ、ナイジェリア、セネガルの以上5か国で3,967人、そのうちの半数を超える2,105人が死亡したとしている。国別の死亡者はリベリアでの1,089人を最高に、ギニアでは517人、シェラレオネでは491人、ナイジェリアでは8人となっている。8月9日時点の集計では、死者が1013人だったが、それからわずか1か月で 倍増する結果となっている[2]。
スイス・ジュネーブで現地時間9月4日から開催されている世界保健機関の「エボラ熱の治療方法に関する専門家会議」で、日本の富山化学工業が開発した現在未承認となっているインフルエンザ治療薬として開発された「ファビピラビル」などの8種類の薬や2種類のワクチンの有効性・安全性について検討を行っている。専門家会議で配られた資料によると、検討している薬にはファビピラビルの他、投与を受けたエボラ出血熱感染者が回復したとされる開発段階の治療薬「ZMapp」などが含まれている。検討している薬については、効果があると指摘されている一方で、安全性などの確証は得られていない[3]。
会議後の現地時間9月5日に会見を行ったWHOのキーニー事務局長補は、同会議で検討した2種類のワクチンについて評価、安全を確認した上で治療に当たっている医療従事者に対して優先的に使用するほか、未承認薬についても使用していくとした[4]。
また国際連合の潘基文(パン・ギムン)事務総長は「感染拡大が早く、対応が間に合わない」とした上で、国連内外の連携強化を図るため、危機対策センターを設置及び対策費として6億アメリカドル(日本円レート約630億円)の支援を国際社会に対して要請した[2]。
情報源
[編集]- ↑ 『死者2000人突破 WHO、日本の未承認薬に期待』 — 産経新聞, 2014年9月6日
- ↑ 2.0 2.1 ローマ:福島良典、ニューヨーク:草野和彦 『エボラ出血熱:死者2000人超える WHO』 — 毎日新聞, 2014年9月6日
- ↑ 共同通信 『富山化学工業の薬など検討 WHO専門家会議』 — 産経新聞, 2014年9月5日
- ↑ ベネチア=原克彦 『エボラ熱治療へ回復患者の血清活用 WHO、専門家と合意』 — 日本経済新聞, 2014年9月6日