エボラ熱対策としてバイオセーフティーレベル4を扱える施設の設置を特命委員会が提案
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【2014年11月10日】
自民党の国際保健医療戦略特命委員会は、西アフリカを中心と増え続けているエボラ出血熱についての提言をまとめた[1]。
エボラウイルスを扱うことができる高度の実験施設は「バイオセーフティーレベル4(BSL4)」施設と呼ばれていて[1]、この感染症の病原体を扱う施設は、世界保健機関の基準で4つに分類され、エボラウイルスなどは漏れ出ないように特別な設備を備えた「BSL4」でないと治療薬の研究開発ができないと定められている[2]。
この提言では、国内の対策として、エボラウイルスなどの危険度の高い感染症の病原体を扱う「バイオセーフティーレベル4」が処理できる施設の確保を急ぐよう求めている[1]が、これについては、参議院の厚生労働委員会で11月6日に可決した感染症法改正案の付帯決議にも早期整備の必要性が盛り込まれている[2]。
日本国内では1980年代に国立感染症研究所村山庁舎と理化学研究所バイオリソースセンターが整備されるも、周辺住民の反対もありBSL4施設としては稼働させることが出来ていない[1]。日本学術会議によれば、世界19カ国で40施設以上あるが、G8で整備されていないのは日本だけとなっている[2]。そのため、日本国内でエボラ感染者が出てもウイルスの分析などができないことから、「稼働は喫緊の課題で、速やかに実施する必要がある」と特命委員会は指摘している[1]。
特命委員会では、今後、政府に提言を提出して、エボラ熱対策の強化を申し入れることにしている[1]。