イスラム歴1426年の聖なる月、半分過ぎる

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2005年10月18日】 イスラム教の聖なる月とされるラマダーンが、今年(ヒジュラ暦1426年)も始まった。多数派であるスンニー派はほとんどのところで今月4日、シーア派は6日からラマダーンに入った。

ラマダーンは、ヒジュラ暦(イスラム暦)の9番目の月で30日間ある。各地のイスラム法学者が月の満ち欠けを判定して決めるため、地方によりずれることがある。オマーンでは今年のラマダーンは5日にはじまった。4日はじまったところでは来月3日がラマダン最終日となる。ヒジュラ暦は太陰暦のため、月の運行に合わせて(西暦などの)太陽暦と少しずつずれていき、必ずしも2005年のように秋になるとは限らない。ちなみに2008年のラマダーンは、スンニー派の場合、西暦で8月31日から9月29日までとなる。

このラマダーンの間、断食が行われる。すなわち、毎日、日の出から日没の間、飲食、喫煙などを一切断ち、暴力や欲望を抑えてイスラム教の教えをより一層深める。また喜捨を行うことも勧められている。禁欲一辺倒ではなく、日没の後は、家族や友人が集まり、ご馳走を並べたり、都市部では一家で食事に出たりするなど、はなやいだ祭りの月でもある。ラマダーンの初日と最終日は多くのイスラム諸国で国家の祝日となっている。また多くの国でラマダーンにあわせて恩赦が行われる。

カシミール大地震が発生した8日朝は、ラマダーンであるために多くのイスラム教徒が在宅中だったとみられる。そのことが、違法建築の横行とともに、倒壊した建物に閉じ込められた被災者が多く出たひとつの理由とも指摘されている。CNNによると、スペインでも、15日未明、北アフリカからの移民が多く住む建物が倒壊し、少なくとも5人が死亡した。近隣住民によると、ラマダーン中この建物には毎晩人が集まっていた。

また、ロイター通信ウェブサイトの記事は、アルカーイダがラマダーン中、西洋への攻撃を強めるよう呼びかける声明を、4日に出したと伝えている。戦争中の兵士は断食を守る義務から免除されている。

アフガニスタンの当局者によれば、14日と16日に親政府系イスラム教指導者への攻撃があり、あわせてイスラム教指導者2人が死亡している。またパキスタンの「デイリー・ニュース」は日曜日の襲撃では、イスラム教指導者のほか治安部隊員2人も死亡していると伝えている。

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