朝日新聞が慰安婦問題で誤報認める
【2014年8月6日】
朝日新聞は8月5日(以下、UTC+9)の朝刊で従軍慰安婦問題を巡る報道について誤りがあったとして、過去に報道した内容の一部を取り消し、検証記事を掲載した[1][2][3]。
問題の報道は1980年代から1990年代に取り上げた、吉田清治氏の証言による報道[1][3]。この報道では済州島(チェジュとう)における旧日本軍の従軍慰安婦にするため、女性を強制連行したとする内容について吉田氏の証言を16回に渡って記事にしていた[1][3]。済州島で同紙が再取材した結果、この証言を裏付けできる話が得られなかったことなどから、証言が虚偽であったと結論付けられた[2]。この証言に関しては韓国メディアよりも先に同紙が取り上げたとされ、この記事を書いた同紙元記者が慰安婦と女子挺身隊の混同があったことも認めたうえで、当時の韓国内でも同様の混同が見られたために元記者はそのまま慰安婦の記事にしたとしている。誤りのあった一部の記事については裏づけ取材が不十分であったと認めている[2]。一方で朝日新聞側は戦時中に、日本軍兵士らによって強制的に性的な相手をさせられた女性がいたという事実はあったと強調している[2]。同紙は1997年3月31日朝刊においても慰安婦の特集を掲載したが、このときは吉田氏の証言については真偽の確認はできないと伝えていた[1]。
また、元慰安婦、金学順氏の証言記事についても、実際の金氏の経験とは異なる内容を書いた同紙元記者(2014年3月に退社)については意図的に慰安婦問題についての事実を歪めたわけではないとしている[3]。
石破氏、国会招致に言及
[編集]今回の報道に関して、自由民主党(自民党)の石破茂幹事長は5日、真実が何であるのかを明らかに、平和や友好を築くために書いた者としての説明を果たしてほしいとして、朝日新聞の関係者を国会招致する可能性を、自民党本部で記者団に話した[4]。
この中で石破氏は糾弾するのが目的ではなく、国民の苦しみや悲しみの解消、この報道によって怒りや悲しみを持った韓国に対して責任でもあると指摘。現時点で確定していないとしつつ、地域の新しい環境づくりに有効であれば国会招致もありえると話している[4]。また、有力紙である朝日新聞が吉田氏の証言に基づいて慰安婦問題を喚起し、国際的な問題となったことから、これを取り消すのであれば今までの報道はなんだったのかと批判。十分な裏づけがないまま報道がなされたのか疑問が解けたわけではないとして、更なる説明が必要であるとの認識を示すとともに、朝日新聞関係者の国会招致の可能性もあるとしている[4]。
朝日新聞の検証記事
[編集]朝日新聞は自社運営の朝日新聞デジタルでも検証記事を掲載。以下を関連情報として提示しています。