中国、世界最長の高速鉄道が開通
【2012年12月26日】
産経新聞・日本経済新聞によると、中国の首都・北京市から広東省・広州市までの2,298キロの高速鉄道(中国版新幹線)が、12月26日(中国標準時、UTC+8)に全線開通した。
産経新聞によると、路線の総延長は、東海道・山陽新幹線(東京-博多間)の約2倍の営業距離となり、中国鉄道省では「世界最長の高速鉄道」であるとしている。また、日本経済新聞によれば、これまで同区間は在来線で約21時間かかっていたのが、約8時間に短縮される。2015年には香港まで延伸する計画もある。
日本経済新聞によると、北京―広州間の沿線には、河南省・鄭州や湖北省・武漢など5省の省都が並んでおり、同国の高速鉄道網から鑑みると、約30の大都市が結ばれたことになる。中国政府は、高速鉄道網の整備により、沿岸部と内陸部との間での移動を活発にすることで、内需拡大を図る方針である。
産経新聞によると、高速鉄道列車には、東北新幹線の「はやて」の技術をベースに中国が独自開発した「CRH380A型」などが在籍する。中国鉄道省では、この路線での長距離運行の実績などもPRすることで、「中国製の高速鉄道」として、車両や路線システムなどの輸出を本格化する方針である。また、日本経済新聞が中国鉄道省の話として伝えたところによれば、最高速度は時速350キロに設定されているが、安全面への配慮から当面は最高時速約300キロでの運行となる。
日本経済新聞によると、中国政府は、昨年7月の浙江省・温州での高速鉄道事故を切っ掛けに、高速鉄道への投資を凍結してきたが、その後、景気減速感が強まったことなどを背景に、一旦は凍結した鉄道建設について、再び経済の牽引役として活用する目的で再開。鉄道省によると、2012年の高速鉄道への年間投資額は4960億元(日本円:約6兆7,000億円)とされる。
情報源
- 河崎真澄(MSN産経ニュース) 『中国、「世界最長」高速鉄道開通 東海道・山陽新幹線の2倍、安全性アピール』 — 産経新聞社, 2012年12月26日
- 島田学(日本経済新聞電子版) 『中国、世界最長の高速鉄道開通 北京-広州を8時間に』 — 日本経済新聞社, 2012年12月26日