グアテマラ、生き埋め被害者の捜索を打ち切り
【2005年10月13日】
現地時間(UTC-6)11日、グアテマラ政府は、地すべりに1,000人前後が生き埋めになったと見られているパナバ村(Panabaj)での捜索を打ち切ることを決定した。CNNなどが伝えた。12日のオーストラリアSBSテレビによると、これによりグアテマラでのハリケーン・スタンの影響による死者は、2,055人となった。またSBSによると、メキシコで42人、エルサルバドルで72人、ニカラグアで11人が死亡した。
ハリケーン・スタンが先週もたらした降雨により、グアテマラ、エルサルバドルを中心にメキシコ南部と中米に被害が出ている。11日のAP通信=カナダCBCテレビによると、11日の段階でグアテマラ当局は死者652人、行方不明者384人と発表した。またエルサルバドル・メキシコ・コスタリカ・ニカラグア・ホンジュラスでの死者は総計133人とAP=CBCは伝えている。
被災地では降雨のため地盤がゆるくなっており、さらなる地すべりも懸念されている。10日月曜日にグアテマラで新たな地すべりがおき、SBSは少なくとも3人、CNNはおそらく40人以上が死亡したと伝えた。
バナバ村はグアテマラの西部、アティトゥラン湖に面する村。住民の多くは原住民のマヤ人で、事故前の人口は約8千人。11日、衛生上最も危険の高い地区に指定され、立ち入りが禁止された。危険にはあらたな地すべりも含まれている。グアテマラのオスカル・ベルシェ大統領とユネスコ親善大使のリゴベルタ・メンチュウ氏が現地パナバ村を視察した。メンチュウ氏はマヤ人の社会活動家でノーベル平和賞を受賞している。ベルシェ大統領は視察後、バナバ村は閉鎖の必要があり、住民は新たな土地に移転するだろうとする見通しを語った。
グアテマラの被災地では、陸軍がヘリコプターで食料の輸送を行っている。現地では清潔な水の確保が深刻な問題となっている。
UPIによれば、国際連合は11日、グアテマラに対する2200万米ドルの援助の要請を各国に行った。またユニセフも同日、グアテマラとエルサルバドルを対象に600万米ドルの支援要請を行った。ユニセフはまた、犠牲者の三分の一が子供であるとの見通しを語った。国連では、世界食料機構がエルサルバドルに、ユニセフがコスタリカへの援助を開始している。
アメリカ合衆国は毛布、救急医療キットなどの援助物資を供与すると約束している。
関連項目
[編集]出典
[編集]- "GUATELMALA TOLL NOW OVER 2,000"。SBS、2005年10月12日。
- "Search called off in Guatemala town"。CNN、2005年10月11日。
- MARK STEVENSON "Guatemala relies on international aid following deadly floods and landslides"。AP/Canadian Press、2005年10月11日。
- "U.N. appeals for Guatemala aid"。UPI/News Kerala、2005年10月11日。
- "UN continues rushing aid to disaster-struck Central American countries"。UN News Centre、2005年10月11日。