キャンプ・ハンセン実弾演習、地元と日米政府平行線

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)
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【2005年7月25日】


2005年7月12日朝から、アメリカ軍は沖縄県金武町(きんちょう)にあるキャンプ・ハンセン内「レンジ4」都市型戦闘訓練施設(複合射撃訓練場)で実弾射撃訓練を行っている。周辺住民は流弾の可能性などがあるとして、7月23日早朝から抗議集会を開いた。安全保障を理由にする日本政府と、基地問題の早期解決と日本・アメリカ両政府に対し誠意ある対応を求める地元の溝は埋まらない。

地元は反対、政府は「平和と安定のため」反発は「重く受け止めている」[編集]

日本・アメリカ両政府は4月、「レンジ4」の使用を中止し「レンジ16」に代替施設を建設することで合意したとされていた。6月29日に開かれた衆議院外務委員会で、「レンジ4」では実弾射撃しないとの方針にいつ合意したのかと赤嶺政賢(あかみね せいけん)衆議院議員(日本共産党)が質問したのに対し、町村信孝(まちむら のぶたか)外務大臣は「24日の:在沖米軍四軍調整官と外務省沖縄事務所との協議で、アメリカ側から口頭で明確に確認している」と答弁した。しかし、代替施設完成まで「少なくとも数年かかる」として「レンジ4」を「暫定使用」するという方針を示した。そして、慰霊の日の翌日6月24日「レンジ4」での訓練開始を日本政府に通知。28日から、地元が反対する中で実弾訓練を開始した。住民の両政府に対する不満は一層増している。

稲嶺恵一(いなみね けいいち)沖縄県知事は、6月29日に開かれた沖縄県議会6月定例会の代表質問で「使用に反対する地元住民や金武町、県の意向に反する」「一時的でも断じて容認できない」と話した。金武町と連携し、地域住民の危険回避と基地の早期移設を日本・アメリカ両政府に求める考えも示した。

河相周夫(かわい ちかお)外務省北米局長は、28日の参議院財政金融委員会で糸数慶子(いとかず けいこ)参議院議員(無所属)の質問に「米軍の錬度維持と、わが国・極東の平和と安定を考えたときに最小限の訓練は必要だ」、地元の反発は「重く受け止めている」と答えた。

住宅地から300メートル、外壁にゴムなど安全策[編集]

6月28日の参議院財政金融委員会では、糸数議員が「レンジ4」が住宅地からの距離がおよそ300mであることなどから「極めて危険な施設だ」として「レンジ4」の即時閉鎖を求めた。これに対し、河相局長は「米軍は訓練棟に面した外壁に高密度ゴムを設置した。安全性確保のため専任の安全管理者を配置する措置もとっている」と答えた。また、町村外務大臣は7月21日に「1988年以降、流弾事故は起きていない」と抗議集会の要請団に話した。

事前通知は最短3日前[編集]

在沖縄アメリカ軍四軍調整官事務所は6月24日、外務省沖縄事務所に対し、6月27日以降に「レンジ4」で訓練開始することを通知した。儀武剛(ぎぶ つよし)金武町長は「これでは事後連絡であり、ルール違反」「住民の安全にかかわることであり事前通知をあいまいにされては困る」と話した。「5.15メモ」と呼ばれる日米合同委員会の合意事項は「遅くとも7日前までに現地日本側代表に通告する」と事前通告を定めているが、これに違反した可能性がある。遅れた原因は不明である。

河相北米局長は、6月28日の参議院財政金融委員会で、訓練の開始日を「米軍の運用にかかわる」として公表していなかった。しかし、7月23日付『沖縄タイムス』によると、ある防衛庁首脳が7月22日、記者に対し「米側に訓練日時などの情報を事前に公開するよう働き掛けている」「直前まで情報がなかったのは、やはり問題だ」として、アメリカ軍に訓練情報の事前公開を求めていると話したという。ただし「訓練中止を申し入れることは難しい」としている。

出典[編集]