H5N1型、人への感染218例目に—インドネシアで男性への感染を確認

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2006年5月25日】

インドネシアの位置
H5N1型ウィルスの電子顕微鏡写真(資料)

世界保健機構(WHO)の発表によれば、インドネシアの北スマトラ州、カロ県で32歳の男性への感染が22日確認されたことを受けて、H5N1型ウィルスのヒトへの感染が218例、死亡例が120例に達したことが明らかとなった。

男性は15日に発症、22日に死亡しており、既に男性の親族7人が感染うち6人が死亡、さらに検体採取が死亡後だった為に感染が断定できなかった一人についてもH5N1型に感染して死亡した疑いが強いとされ、現地当局では感染例に含めている。

男性の10歳の息子がH5N1により13日に死亡しており、密接に看病に関わっていたことが感染の原因との可能性も考えられている。

WHOの調査によれば、ヒトからヒトへの感染の可能性は除外できないとしながらも、今回の感染でもウィルスの重大な突然変異やヒトインフルエンザウィルスやブタインフルエンザウィルスとの遺伝子再集合の証拠は見られず、遺伝子配列は同地域の家禽類から分離されたそれと酷似していたとし、ヒトからヒトへの直接の感染やウィルスの突然変異については慎重な見解を示した。

またWHOは、ウィルスはオセルタミビル(タミフル)を含んだノイラミダーゼ阻害剤への耐性と関係する突然変異も示していないとしている。

H5N1型のヒトへの感染は今年に入ってからインドネシアでの25例を中心に既に74例目に達し、インドネシア以外でもアゼルバイジャンカンボジア中間人民共和国エジプトトルコイラクの計8カ国でヒトへの感染が確認されており、ヒトへの感染が確認された地域は発生以来最も広範に及び、WHOと保健当局では警戒を強めている。

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