H2Bロケット1号機、打ち上げ成功 無人輸送機を軌道投入
【2009年9月11日】
読売新聞・朝日新聞・西日本新聞によると、国際宇宙ステーション(ISS)へ補給物資を運ぶ日本初の無人宇宙輸送機「HTV」を搭載した日本国産の新型ロケット「H2B」の1号機が9月11日午前2時1分(UTC+9、以下同様)、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられた。約15分後にHTVが分離して予定通りの軌道に投入され、打ち上げは成功した[1][2][3]。
HTVは地球を周回する軌道に入り、徐々に高度を上げてISSに接近し、9月18日にISSとドッキングする予定[2][3]。打ち上げ時刻が未明に設定されたのは、ISSが日本上空を通過する時刻に合わせたため[3]。
HTVは全長9.8メートル、直径4.4メートルの円筒状で[1]、荷物も含めた総重量約16.5トン。今回打ち上げられたものには衣類や食料品のほか、日本の実験棟「きぼう」に設置される大気観測装置などが搭載されている[2][3]。ISSへの物資搬入後、HTVは11月上旬にISSから切り離され、大気圏再突入によって燃え尽きて廃棄される予定[1][2]。
H2Bロケットは、重量の大きいHTVを打ち上げるために宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が約200億円をかけて開発した新型ロケット[2]。従来のH2Aロケットのメインエンジンを2本に増やし、打ち上げ能力を1.4倍に高めている[1]。
JAXAでは今後、2015年まで毎年1機ずつ、計7機のHTVをH2Bロケットで打ち上げる予定[1][2]。現在、ISSへの大型機材運搬の主力となっているスペースシャトル(アメリカ合衆国)が退役を予定している来年以降、HTVがISSへ大型機材を運搬できる唯一の輸送機になる見通しであるとして注目を浴びている[1][2][3]。