2014年の御嶽山噴火は犠牲者数が戦後最多に及ぶ
【2014年10月2日】
9月27日に発生した御嶽山(おんたけさん。長野県・岐阜県境 標高3067メートル)の噴火[1]で、10月1日現在で、47人が山頂付近で心肺停止状態で発見、麓に搬送されたが、この47人全員が死亡したことが確認された。今回の噴火災害における死者数は、1991年に長崎県の雲仙普賢岳の噴火災害による火砕流で被災した死者43人を超え、戦後の日本における火山災害では、最悪の犠牲者数を数える大惨事となった[2]。
今回の御嶽山噴火で被災した死者のうち、長野県警は10月1日午後10時45分の時点で、新たに14人の身元が確認されたことを発表した[3]。現時点で身元の確認が取れたのは、合計で26人となる[3]。また前述の死者とは別に、山梨県の上野原市から、同市の職員夫妻とされる遺体の身元を確認したことが発表された[3]。
現地での緊張が高まるなか、登山者の救出活動は滞っており、噴火した9月27日には自衛隊のヘリコプターによって上空からの救助が試みられるも、激しい噴煙の影響で救出活動を断念せざるを得なかった[4]。29日の救助活動中でも有毒の硫化水素が午前中だけで3回にわたり検出されたため検出の都度、救助活動を中断した[4]。その後も硫化水素の濃度が高まり、救助活動を継続するには危険な状況であったため、29日の救助活動は午後2時ごろに中止を決めざるを得なかった[4]。翌30日には火山活動が再び活発化の兆候があり、現地の状況は一層悪化の様相を見せ、1人の救出も叶わず、前日同様に午後2時過ぎに救助活動を再び中止する憂き目に遭った[4]。
現地では火山活動に対して予断を許さない状況が続いており、気象庁は引き続き火口周辺警報を出して、長野県の王滝村と木曽町、岐阜県の高山市および下呂市にまたがる火口から約4キロに渡る範囲の地域で、引き続き火砕流や噴石へ警戒をするように呼びかけている[5]。また御嶽山付近では、湿った空気の影響で10月2日昼頃から、局地的に1時間に10ミリ程度のやや強い雨が降る見込みであることから、火山灰の多い地域では念のために土石流や川の増水にも注意するように呼びかけている[5]。
情報源
- ↑ 『御嶽山、新たに心肺停止の7人発見 死亡確認は18人に』 — 朝日新聞, 2014年10月1日
- ↑ 『御嶽山 47人死亡 戦後最悪の火山災害』 — 日本放送協会, 2014年10月1日
- ↑ 3.0 3.1 3.2 『御嶽山噴火、死者47人…戦後最悪の火山災害に』 — 読売新聞, 2014年10月2日
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 『御嶽山噴火、風向き変わり一気に捜索 見通せぬ被害全容』 — 朝日新聞, 2014年10月2日
- ↑ 5.0 5.1 『御嶽山噴火続く 2日は雨の見込み』 — 日本放送協会, 2014年10月1日