1100gの男児の心臓手術に成功―長野
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【2006年9月4日】
4日、長野県安曇野市の長野県立こども病院は、心臓疾患を持って1,100gの低出生体重で生まれた男児の心臓手術に成功したと発表した。人工心肺をつけたままの手術で、1,100gという非常に軽い体重での成功は日本ではこの例が初めてだという。
この男児は今年5月19日、妊娠37週目で誕生したが、肺静脈が心臓につながっておらず、「総肺静脈還流異常症」という血液が体内を循環しない難病におかされ、出生直後から呼吸不全となり、信州大学医学部附属病院から県立こども病院に搬送された。その後5月25日に手術が行われた。とても困難な手術だったが、5時間ほどで無事に成功。その後男児の容態は順調に回復し、今月4日に退院した。
大阪大学医学部付属病院、福岡市立こども病院によると、総肺静脈還流異常症(TAPVC) は肺静脈が体静脈に戻ってしまっている病気。乳児期早期に、チアノーゼ、高肺血流、心不全、呼吸不全を起こす。治療を行わなければ、1週間から1ヶ月で死亡する。
出典
[編集]- 『1100gの新生児、人工心肺つけた心臓手術に成功』 — 読売新聞, 2006年9月4日
- 『総肺静脈還流異常症(TAPVC)』 — 大阪大学医学部付属病院, 2005年8月21日
- 『総肺静脈還流異常症(TAPVD) *先天性心臓病テキスト:』 — 福岡市立こども病院・感染症センター心臓血管外科, 2006年7月29日