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障害者郵便割引不正事件で証拠のフロッピーディスクを改竄、大阪地検主任検事を逮捕

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2010年9月22日】

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朝日新聞毎日新聞によると、郵便割引制度を悪用した偽の証明書発行事件(障害者団体向け割引郵便制度悪用事件)で、押収品のフロッピーディスクデータ改竄したとして、最高検察庁9月21日UTC+9)夜に、この事件の主任を務めた大阪地検特捜部検事前田恒彦容疑者(43歳)を、証拠隠滅容疑で逮捕したと発表した。また、朝日新聞によれば、同地検が入居する庁舎17階に位置する前田検事の執務室や、前田検事の大阪府枚方市内の自宅を捜索した。

朝日新聞によると、押収資料を改竄したとして現職の検事が逮捕されるという、前例の無い不祥事で、捜査のあり方が根底から問われるのは避けられない状況である。最高検自らが容疑者を逮捕する初のケースであり、今後、前田検事の上司や同僚が改竄を把握していた可能性なども調べる方針である。また、毎日新聞によれば、最高検は同日に、捜査が適正に行われていたかを調べる検証チームを発足させており、2010年内に調査結果を公表する方針である。また、法務省は、当時の大阪地検の幹部らに対して処分を行うべきどうかをか検討することにしている。

毎日新聞によると、前田検事の逮捕容疑は、2009年7月中旬頃に、パソコンを使用してフロッピーディスク内に記録されていた偽の証明書のデータの最終更新日時を、「2004年6月1日1時20分6秒」から「6月8日21時10分56秒」に改変し、他人の刑事事件の証拠を変造したというもの。問題のディスクには、厚労省元係長・上村勉被告(41歳、虚偽有印公文書作成同行使罪で公判中)が作成した偽の証明書のデータが保存されていた。2009年5月の押収時点では、更新日時は2004年6月1日だったが、弁護側への返却後に調べたところ、6月8日に書き換えられていた。また、検察側は公判に於いて、「村木厚子・元厚生労働省局長(54歳)が2004年6月上旬頃に、偽証明書の作成を自らの部下だった上村被告に指示した」と主張した経緯があり、前田検事が検察側の構図に合致するよう、ディスクのデータを改竄した疑いが持たれている。

朝日新聞によると、最高検は、「証拠隠滅は故意犯であり、過失ではないと考えている」と説明。また、上司の関与や認識については「今のところ、他人の関与は全く把握していないが、今後徹底して捜査する」とコメントした。また、前田検事が過去に担当した事件についても、今後の捜査結果次第では、改めて調べるとしている。

毎日新聞によると、大阪地検は21日に、村木元局長についての控訴を断念し、上訴権を放棄したと発表。これにより、村木元局長の無罪が確定した。

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