関東地方に緊急地震速報が発信されるも揺れは観測されず 気象庁は「誤報」と断定
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【2009年8月25日】
朝日新聞・日本経済新聞・47NEWS(共同通信)によると、8月25日午前6時37分(UTC+9、以下同様)、気象庁は関東地方で最大震度5弱程度の揺れが予測されるとして緊急地震速報を発表した。しかし、実際に同時刻に発生した地震は、体に感じる揺れが観測されない無感地震であり、同庁は速報が誤報であったと断定した[1][2][3]。
緊急地震速報が発信され、実際に揺れが起きなかった誤報は初めて[2][3]。ただし、鉄道会社などを対象に発信される「高度利用者向け」緊急地震速報の誤報は2008年7月にも起きており、これを含めると2度目となる[1]。
気象庁の伊藤秀美・地震火山部長は同日午前に記者会見し、「国民の皆様に大変なご迷惑をおかけしたことをおわびする」と陳謝した[1][2][3]。
実際の地震は同日午前6時37分頃に発生し、震源は千葉県東方沖、震源の深さは約20キロ、マグニチュード4.1と推定されている[3]。この地震の際に、同県南房総市に設置された地震計から、実際に測定されたデータの約20倍という異常なデータが送信され[1][3]、これによって気象庁の緊急地震速報システムが地震のエネルギーを実際の5000倍以上のマグニチュード6.6と推測したことが誤報の原因とされる[2][3]。同庁では異常なデータを送信した南房総市の観測地点に職員を送り、原因の調査にあたる[2]。
この速報により、東京メトロ・都営地下鉄・東武鉄道・ゆりかもめなどの鉄道会社の各路線で全列車が一時運転を停止した。3〜10分ほどで運転を再開したが、列車の遅れは午前8時頃まで続いた[1][3]。一方、JRは警報システムが地震を検知しなかったため影響はなかったという[3]。