酒類・飲料メーカーの再編加速か? キリンとサントリー経営統合へ向け交渉
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【2009年7月13日】
朝日新聞と毎日新聞によると、日本のビール・ソフトドリンクなどの酒類・飲料メーカー大手であるキリンホールディングスとサントリーホールディングスが経営統合へ向けて交渉を進めていることが7月13日(UTC+9)までにわかった。
朝日によると、関係者の説明では両社は物流面などでは協業化を進めているが、全体の経営統合も選択肢に入れて専門チームを作り検討に入っているという。実現すれば1906年に大阪麦酒、日本麦酒、札幌麦酒の合併により設立された大日本麦酒以来の日本ビール業界の大型合併となる。また毎日によると、経営統合が実現すれば、連結売上高3兆8000億円規模となり、アメリカのコカ・コーラ社を上回る世界有数の大飲料メーカーになるという。
朝日によると、近年は少子高齢化の影響で若者のビール離れが深刻になり、2009年度のビール市場は両社とも厳しい見込みを示しているが、営業面ではキリンがいわゆる「第3のビール」である「のどごし生」などを売り上げ、またサントリーも高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」が好調ということもあり2008年12月期決算では増益を果たしている。しかし、小売業界では物流業の再編の影響で規模が拡大している事から価格決定に際してメーカーは劣勢に立たされている現状にあるので、統合によって価格決定権をメーカーが取り戻そうとする狙いもあるとみている。
また朝日、毎日によると、両社は海外での戦略にも力を入れており、オーストラリアなどのメーカーとの合併・買収を進めているが、全体的には市場規模が小さいため、更なる収益の確保も課題だといわれている。
情報源
[編集]- asahi.com 『キリンとサントリー、経営統合に向けて交渉』 — 朝日新聞, 2009年7月13日
- 毎日jp 『キリン:サントリーと経営統合へ交渉』 — 毎日新聞, 2009年7月13日