訃報 伊藤正己氏 - 元最高裁判事、表現の自由を研究
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【2010年12月31日】
元最高裁判所判事で東京大学名誉教授の伊藤正己(いとう・まさみ)氏が12月27日午後0時27分(UTC+9)[注釈 1]、呼吸不全のため東京都新宿区の病院で[注釈 2]死去した。91歳だった[1][2][3]。伊藤氏は英米法や憲法の研究を進め[1][2]、「表現の自由」を重視した意見を多数述べたことで知られた[3]。
兵庫県に生まれ[1]、1943年に東京帝国大学(現:東京大学)卒業[2]。東京大学法学部教授・同学部長を務め[2][3]、英米法の基本となる「法の支配」を研究[2]。1960年には著作「言論・出版の自由」によって日本学士院賞を受賞した[1]。
1980年に最高裁判事に就任。殉職した自衛官が護国神社に合祀されたことをめぐる1988年の「自衛官合祀訴訟」では[3]、行為を合憲とした大法廷判決に対し、ただ一人反対意見を述べた[1][2][3]。このほか、1986年の「北方ジャーナル訴訟」では「事前差し止めは厳しく制限すべきである」とする補足意見をつけるなど[2]、法廷の多数意見に対して、学者を前身とする判事として[注釈 3]40件以上に及ぶ[注釈 2]反対意見・補足意見を述べた[2][3]。1989年の「百里基地訴訟」などの判決で裁判長を務め、1989年9月[注釈 3]に退官[1][2][3]。
退官後は文化庁著作権審議会会長などを務め、1993年に勲一等旭日大綬章、1999年に文化勲章を受賞した[2]。
注釈
[編集]情報源
[編集]本ニュースは「朝日新聞」「日本経済新聞」および「毎日新聞」の以下の報道を情報源としている。