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航空自衛隊のセクハラ訴訟、国に580万円支払い命令

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2010年7月30日】

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毎日新聞読売新聞によると、同僚の男性自衛官から性的暴力を受けた上に退職を強要されたとして、北海道内の航空自衛隊基地に勤務していた元女性隊員(24歳)が約1,100万円の国家賠償を求めた訴訟で、札幌地方裁判所7月29日UTC+9)、女性側の訴えをほぼ全面的に認め、国に対し580万円の支払いを命じた。

毎日新聞によると、同地裁の橋詰均裁判長は、「上下関係などを利用した性的暴行であり、その後も上司らが露骨に退職に追い込もうとした」と、組織的な不法行為であると認定した。

毎日新聞によると、判決では、この元女性自衛官は、2006年9月に、夜勤中に飲酒していた1階級上の男性三曹(35歳)に内線電話で勤務部屋に呼び出され、意に反して無理矢理胸などを触られたり、性的行為を強要されるなどした。このため、その後、この女性は上司に訴え出たが、女性自衛官同席ではなかったため細かい説明ができず、また、婦人科受診の申し出も「男性隊員が同行しないと認めない」と言われ、すぐに行くことができなかった。さらに、事件から4カ月後、上司らから「周囲に迷惑をかけた」との理由で退職を強要された。

読売新聞によると、これまでの裁判では、この元女性自衛官は「抵抗したが、腕などを掴まれ逃げることができなかった。体を触ることを了解した言葉は一度も言っていない」と主張。「上司からは、自衛隊で問題を起こしたら、もうやっては行けないと言われた」としていた。これに対し、国側は、「性的行為は原告の意思に反したものではなく、セクハラとは言えない。事後の対応も適切であり、不当な扱いや退職を強要した事実はない」と反論し、請求棄却を求めていた。

毎日新聞によると、判決は、三曹の「合意の上だった」との主張を退け、「階級を利用し、周囲から隔絶された部屋で抵抗を抑圧した」と認定した。また、上司らの事後対応についても、「原告を厄介者として退職に追い込もうとする露骨な取り扱い」と断じた。

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