神奈川で小3男児がエスカレーターに頭を挟まれ重体

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

訂正:この記事において、当初「エレベーター」と報じた内容は「エスカレーター」との誤りでした。お詫びして訂正いたします。>>詳細 - 2008年8月6日16時53分04秒 (UTC)


エスカレータの三角部分(資料)

【2007年10月19日】

朝日新聞・読売新聞・毎日新聞・時事通信・中日新聞によると16日午後4時10分ごろ、神奈川県平塚市中原一丁目のスーパー西友平塚店で、小学校3年の男児がエスカレーターで首を挟まれ意識不明の重体となった。

事故に遭ったのは同市東中原2丁目、会社員会田陽彦さん(49歳)の長男、卓矢君(9歳)。卓矢君は、18日に予定されていた遠足用のおやつを買った後、地下1階のフロアに50円玉を落とし、手すりから身を乗り出してのぞき込んでいたところを、アクリル樹脂製の固定保護板(幅145センチ)と手すりとの間にある約15センチのすき間の間に首を挟まれ、1.5メートル引きずられ、エスカレーターが動き続けたまま頭が後壁に押しつけられる状態になっていた。卓矢君と一緒に来ていた子供たちが騒き始め、それに気付いた店員がエスカレーターの緊急作動装置を作動させて卓矢君を救出した。その後、卓矢君は救急隊員によりドクターヘリで搬送されたが、救急隊到着時点で既にぐったりとした様子であったという。

日本エレベータ協会によると、卓矢君が首を挟まれた場所は三角部分と呼ばれる危険箇所であるが(写真)、保護板が固定された状態で首を挟まれるケースは珍しく、男児の姿勢または保護板の設置方法に問題があったのではないかと指摘している。

また、17日に行われた調査で保護板の長さが建築基準法で定められた長さに達しておらず、保護板の垂直方向の長さが規定より約18センチ不足していたことが判明している。

保護板の設置は2000年の国土交通省告示で義務づけられている。

  • エスカレーターの手すりと壁の間が50センチ以下の場合に設置しなければならない。
  • 手すりの上端から20センチ以上、下に伸ばさなければならない。
  • 厚さは6ミリ以上で、角があってはならない

などが規定されているが、事故現場の保護板は手すりの上端から下へ2センチしか伸びていなかった。

さらに事故を起こしたエスカレーターのアクリル板はシンドラーエレベータ社によって設置され、同社によって1年ごとに点検され、民間指定確認検査機関イーホームズ(廃業)によっても検査されていたことが明らかになっている。これを受け、市は保護板の設置状況と事故の関連を調べるため図面などの関係資料提出を求めた。

国土交通省もこの事故を受け、全国に約6万基あるエスカレータを緊急点検するよう各都道府県に指示した。

なお、県警平塚署によると、会田卓矢君は19日、意識を取り戻し、問いかけにも反応できるようになっており、さらに回復したところで事故の詳しい状況を聴取する予定であるという。

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