殺人事件の容疑者を逮捕前に捜査員と同宿、事実上逮捕前に身柄拘束? - 大阪府警

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2009年10月20日】

読売新聞産経新聞によると、9月4日UTC+9、以下同様)に大阪市浪速区マンションで、当時33歳の男性の刺殺体が見つかった事件で、大阪府警浪速署捜査本部が強盗殺人容疑で再逮捕した焼田具明被告(44歳、死体遺棄罪起訴済)を参考人聴取した際、監視役の捜査員と一緒にビジネスホテルの部屋で宿泊させていたことが判明した。

読売新聞によると、この宿泊は、捜査員の独断により行われ、同府警捜査1課に対しては「帰宅させた」と虚偽報告をしていた。産経新聞によると、焼田被告は、宿泊の翌日に犯行を自供しているが、逮捕前に参考人を事実上身柄拘束していたとして、公判供述の任意性が認定されない可能性もあり、捜査本部は補充捜査を実施している。

読売新聞によると、遺体は9月4日に、家賃を滞納していた部屋を訪ねた保証会社の社員が、部屋の浴室内で発見。事件を捜査していた同府警は、部屋の使用者で男性の知人の焼田被告を、同月7日に奈良県生駒市の自宅近くから浪速署に任意同行、夜になるまで聴取を行ったが、事件に関する供述は得られなかった。こうしたケースでは、通常は帰宅させるが、捜査担当者は「逃亡の虞は無いが、過去に自殺を図ったことがあり、自暴自棄になる虞がある」と判断、焼田被告に対し口頭で了解を得て、監視役の捜査員1人と、同署近くのホテルの同じ部屋に宿泊させたという。翌8日朝に捜査員がホテルから同署に同行し聴取を再開。夕方になって、焼田被告は「室内で殺害し、自分一人で浴室に運んだ」と自供し、死体遺棄容疑で逮捕された。捜査関係者のコメントとして、捜査担当者は同課幹部に対し、「参考人聴取後自宅に戻ったが、8日朝になって、スッキリした表情で署を訪れ自供に至った」と説明したという。しかし、産経新聞によると、この捜査担当者は、ホテルで焼田被告と捜査員と一緒に宿泊させたことについては報告しておらず、数日後になって発覚した。

産経新聞によると、捜査幹部は、「自殺の虞のある参考人に対しては、付き添うか自宅に帰らせるかの判断は分かれるものの、今回の場合は致し方無かったと考える。ただ、公判で供述が証拠として採用されない可能性があるので、証拠固めを行っている」とコメントしている。

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