横浜の化学工場で爆発事故 従業員ら11人けが
【2010年1月8日】
1月7日午後5時45分頃(UTC+9、以下同様)、横浜市金沢区福浦一丁目の化学製品製造会社「日本カーリット」横浜工場で爆発が発生し、敷地内の工場の製造棟や事務所など8棟の建物が全焼した[1][2][3]。
消防車40台などが出動して消火にあたり、同日午後8時15分頃に鎮火した[3]。神奈川県警によると、この爆発で、当時工場内にいた従業員15人のうち男性6人と、付近を通りかかった乗用車に乗っていた男性2人の合計8人が軽傷を負った[1][2][3]。また、その後の調べにより従業員のうちさらに2人と[4]、付近の工場の従業員1人が軽傷を負っていたことが判明し、負傷者は合計11人となった[5]。
日本カーリット社によると、爆発が起こったのは化学薬品などを合成する有機製造棟の高圧釜[2][3]。同棟では当日の午前8時から化学薬品の製造作業が行われており、爆発は作業終了後に起こったと見られているという[1][2]。同工場では、過塩素酸など可燃性の化学薬品も製造しているという[1][3]。
同工場では、日本カーリットに吸収合併される以前の関東高圧化学の工場であった2008年4月にも敷地内にあった実験棟で爆発事故が起きて2人が死傷しており、神奈川県警は2009年12月に当時の工場長ら3人を業務上過失致死傷容疑で書類送検していた[1][2][3]。
神奈川県警などは1月8日から現場の実況見分を開始した[4]。それによると、有機製造棟にあった高圧釜の一つが敷地外の道路まで数十メートルにわたって吹き飛んでいたという。県警らは、この釜の付近で爆発が起こったものとみて、原因を調査している[5]。また県警は、業務上過失致傷容疑で関係者の事情聴取を行っている[1][2][4]。
日本カーリット社では、伊佐功社長が1月7日午後10時から本社(東京都千代田区)で会見し、「二度もこのような事故を起こし、誠に申し訳ない」と謝罪を行った。一方で、作業が終了していたことや法定検査を徹底していたことなどを強調し、「なぜ爆発が起きたのか、しっかり調査する」とした[1]。
現場は、横浜新都市交通金沢シーサイドライン・産業振興センター駅からおよそ600メートル東に位置する工業団地の一角[1][3]。
情報源
[編集]本ニュースは「神奈川新聞」と「読売新聞」、「東京新聞」、「時事通信」および「共同通信」の以下の報道を情報源としている。
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 カナロコ ローカルニュース 『横浜の化学工場で爆発し従業員ら8人負傷、2年前にも事故/神奈川』 — 神奈川新聞社, 2010年1月7日
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 YOMIURI ONLINE 『横浜の化学工場で爆発、8棟全焼し8人軽傷』 — 読売新聞, 2010年1月7日
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 TOKYO Web 『化学工場爆発8人けが 横浜』 — 東京新聞社, 2010年1月8日
- ↑ 4.0 4.1 4.2 時事ドットコム 『現場周辺で実況見分、軽傷10人に=化学工場爆発-神奈川県警』 — 時事通信社, 2010年1月8日
- ↑ 5.0 5.1 47NEWS 『高圧釜が数十m吹き飛ぶ、横浜 工場爆発の負傷者11人に』 — 共同通信社, 2010年1月8日