我妻栄氏らの民法解説書を大原学園が無断引用し教材に、我妻氏の遺族が提訴

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【2010年1月7日】

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読売新聞毎日新聞によると、民法学者我妻栄(わがつま・さかえ)氏(故人、東京大学名誉教授)らが執筆した解説書・『民法』の中の文章が、司法書士試験の受験生向けの講座テキストに無断使用されていたことが判明した。読売新聞によると、我妻氏の遺族らは、問題のテキストを作成した学校法人・『大原学園』(東京都)などに対し、約1,940万円の損害賠償などを求める訴訟東京地裁に起こした。

読売新聞によると、『民法』は全3巻で構成され、我妻氏が執筆した1933年UTC+9、以下同様)刊行のの内容に基づき、有泉亨・東京大学名誉教授との共著として1954年に出版された。数ある我妻氏の著作の中でも、膨大な民法典を小型の3冊のみで簡潔に解説した内容が評価され、出版から数年後には法学生の間に爆発的に広まった。現在の出版元である勁草書房(東京都)によれば、これまでに100万部以上の売り上げがあった模様である。

読売新聞によると、今回訴えを起こしたのは、我妻・有泉両氏の遺族の他、改訂を担当した川井健一橋大学名誉教授ら。提訴は2009年12月付。訴状などによると、2006年から2008年にかけて大原学園で、司法書士試験受験生向けの講座で使われた『民法テキスト1・2』の中に、『民法』の第1巻の記述が引用された。例として、人の権利について、「人でありながらこの地位を享有しない者(例えば奴隷)の存在は許されない」――など、瓜二つな記述が多数見付かった。大原学園側によれば、両テキストは約4,800部作成され、うち受講生に対しては約2,000部を配布したという。

読売新聞によると、大原学園側は、原告側の指摘に対して無断引用の事実を認め、両テキストの使用・配布を取り止めた。被告代理人の鈴木周弁護士は、「大原学園は、深く反省している。裁判所の意見を聞いて被害回復に努め、二度と繰り返さないようにしたい」とコメントしている。また、毎日新聞によれば、大原学園は「無断引用は事実で、今後、弁護士と相談の上、誠意を持って対応していきたい」と話している模様である。

読売新聞によると、一方で、原告側代理人の松田政行弁護士は、「ほとんど丸写しの部分も多く、法律家を目指す人達の教材に於いて、このような権利侵害が行われたことは大変残念。亡くなった執筆者の名誉もきちんと回復したい」とコメントしている。

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