徳島父子殺害事件の容疑者が岡山で病死
【2012年10月21日】
徳島県警は10月20日 (UTC+9)、2001年に発生した徳島・淡路父子放火殺人事件の容疑者として、指名手配として行方を捜していた小池俊一容疑者(52)が、19日に岡山市内で死亡していた事を発表した[1]。 徳島県警は被疑者死亡のまま書類送検する方針を示した[1]。
死因は当初心臓疾患による病死と見られていた[1]。22日に岡山県警より司法解剖の結果に関する発表があった[2]。 発表によると、死因は心筋梗塞を発症して心破裂を起こしたことによる、心タンポナーデであった事が判明した[2]。
岡山で死亡した経緯について岡山県警による発表では、小池容疑者は、岡山市北区のマンションで偽名を用いて2005年からパート従業員の女性と同居していたとした[1]。 マンションで同居していた女性により19日午後9時05分頃に[1]トイレで倒れているのを発見され、119番通報が行われた[1]。 その後、午後10時15分頃に死亡が確認された[1]。 岡山県警の取り調べによると、同居女性は小池容疑者について「数日前から胸が痛いと言っていた[2]」と話しているという[2]。
遺体が小池容疑者であるとの特定に至る経緯については、当初岡山県警は小池容疑者と気づかないまま検視を行ったという。その為、指紋の照合作業も行われなかった。 しかし、同居女性が小池容疑者の葬儀を葬儀会社へ依頼した際に、葬儀会社が偽名ではないかと不審に思い、警察へ調査依頼を行った。その後、警察が指紋照合を行った結果、遺体が小池容疑者である事が発覚した。岡山県警は「検視の段階で気付けなかったのは遺憾[1]」とコメントした[1]。
小池容疑者が偽名を用いた経緯については、同居女性が「名前を言おうとしなかったので私が勝手に呼んでいた[3]」と葬儀会社へ話していたという[3]。
小池容疑者の顔の特徴について、眉毛を細くそり、ひげを生やしていたことが23日に徳島県警によって明らかにされた。小池容疑者の手配写真の時点では眉毛は太めで、ひげも生やしていなかったものの、死亡時の小池容疑者の眉はかなり細くなっており、ひげも生やしていたという。さらには頭髪もかなり薄い状況であった。徳島県警の捜査幹部は「手配写真のイメージが強いと、すれ違っても分からない」とコメント、手配写真と比べるとかなり印象が違う風貌となっていた。徳島県警は小池容疑者は逃亡がやり易いように、顔の特徴を意図的に変えていたのではないかと見ている[4]。
警察の対応
[編集]2004年に徳島県警が「おい!!小池!!」というキャッチフレーズがついた手配用のポスターを108万枚製作して小池容疑者の行方を捜索[1]、2010年には警察庁によって、300万円を上限とした公的懸賞金の対象事件とされた[1]。 なお、今回警察へ調査依頼した葬儀会社が懸賞金の対象となり得るかの判断について、徳島県警は「提供された内容により懸賞金が変わるので警察庁と協議する」として検討中とした[1]。
徳島県警・岡山県警の両県警は、小池容疑者の11年半に渡る逃亡生活の解明の為、家宅捜索で押収した携帯電話の通話記録の調査などを行っている[3]。
徳島県警は22日に、捜査本部の設置されていた徳島東署を始め、徳島県内の警察署や金融機関などに張られていた小池容疑者の手配ポスターをほぼ撤去した。徳島東署幹部は「事件が終わったわけではない。逃走の実態解明に向け捜査をしっかり進める」と今後の捜査への意気込みを語った[5]。
被害者の遺族は
[編集]遺族は「10年以上捜査してくれた警察の苦労はわかるが、生きてつかまらず複雑な気持ちだ。法で裁いてほしかった[6]」と語った[6]。
被害者の遺族は2004年9月に「捜査に協力する会」を作り、独自に懸賞金を設けていた[6]。
情報源
[編集]- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 『「おい、小池!」容疑者遺体で発見 潜伏11年、火葬寸前で判明』 — スポーツニッポン, 2012年10月21日 6:00(UTC+9)
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 『小池俊一容疑者の死因は心臓疾患 「胸痛い」と話す』 — 共同通信社, 2012年10月22日 18:50(UTC+9)
- ↑ 3.0 3.1 3.2 『同居女性 「小池」と知らず「言おうとしなかったので…」』 — スポーツニッポン, 2012年10月22日 6:00(UTC+9)
- ↑ 『手配写真「おい、小池!」と違い 眉毛そり、ひげ生やす』 — 共同通信社, 2012年10月23日 16:50(UTC+9)
- ↑ 『手配の「おい、小池!」撤去 徳島県警、108万枚配布』 — 共同通信社, 2012年10月22日 11:23(UTC+9)
- ↑ 6.0 6.1 6.2 『火葬寸前だった「おい、小池!」 被害者遺族は「生きて捕まらず複雑」』 — スポーツニッポン, 2012年10月20日 22:40(UTC+9)