山本浩二氏、堀内恒夫氏らが2008年度野球殿堂入り

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2008年1月13日】 東京新聞によると、2008年度野球殿堂表彰者を決める審査会が1月11日行われ、競技者表彰・プレイヤーの部で山本浩二(61歳)、堀内恒夫(59歳)の両氏、特別表彰の部で故・嶋清一氏の3人が選出された。

東京とデイリースポーツによると、今年度から野球殿堂の表彰が一部改正され、競技者の部が選手経験者を対象とした「プレイヤーの部」と、監督・コーチなど指導者や審判員経験者を対象とした「エキスパートの部」の2つに細分化されたが、エキスパートの部の表彰は今回なかった。プレイヤーの部はプロ野球取材経験15年以上の記者の投票により、有効投票数の75%以上を獲得した選手らが殿堂入りとなる。また特別賞は有識者で構成する審査委員の投票により、やはり75%以上の票を得た方々が受賞となる。表彰式はオールスターの第2試合が予定される8月1日に横浜スタジアムで行われる。

スポーツ報知によると、堀内氏は1963年甲府商業高等学校のエースとして全国高校選手権大会に出場し、その後1965年にドラフト1位指名で読売ジャイアンツ入団。1966年にはシーズン開幕から13連勝を達成。16勝で新人王を獲得。更に1967年にはノーヒットノーランを達成するなど、巨人軍の9連覇に貢献。1983年に現役を退くまで203勝の成績を残した。その後2004年と2005年に巨人軍の監督に就任。堀内氏はスポーツ報知に寄稿を寄せ「還暦で殿堂入りが出来てうれしい」と語るとともに、野球解説など多忙な日々を送っていたことから、今年度が競技者の部での表彰対象最終年であったことに気づかなかったという。

またスポーツニッポンによると現在北京五輪日本代表コーチである山本氏は広島県出身。法政大学から1968年にドラフト1位指名を受けて広島カープ入り。自らが特に印象に残ったという1975年のチーム初優勝を皮切りに選手4回、監督1回のリーグ優勝を経験した。特に1977年から5年間連続で年間40ホームランを記録するなど「ミスター赤ヘル」として知られた。元カープ監督の古葉竹識氏は山本氏の受賞決定後「おめでとう」とたたえ、「北京五輪でぜひ世界一を」と激励した。

朝日新聞によると、特別賞で殿堂入りをする嶋氏は1939年の全国中等学校優勝大会(現・全国高校選手権大会)25回大会において、和歌山県海草中学校の投手として1回戦から決勝戦までの5試合全てに登板。しかも無失点の上に準決勝・決勝戦では2試合連続ノーヒットノーランを決めた。その後明治大学に進学したが1943年に学徒出陣で出征し、1945年3月インドシナ半島で24歳の若さで戦没した。嶋氏の同僚である古角俊郎氏(86歳)は朝日新聞のインタビューに「感謝に尽きます。嶋さんを初めとした多くの選手が戦没しました。平和ほど尊いものはない」と語っている。

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