尿検査を実施せず健診結果を捏造し「正常」と報告、兵庫県明石市が予防医学協会を指名停止に

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2010年7月15日】

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毎日新聞読売新聞によると、神戸市外郭団体である財団法人・『兵庫県予防医学協会』(同市東灘区)が、2010年7月UTC+9)に兵庫県明石市職員健康診断を実施した際、尿検査による機能検査について、検査していないにもかかわらず96人分を「正常」だったと検査結果を捏造し、本人に通知していたことが、7月14日に判明した。

毎日新聞によると、同協会と明石市の話として、2010年7月2日に、同市職員147人が受診対象となる健康診断に於いて、同協会が尿検査用の試験紙を用意し忘れた。このため、午前中の受診対象者96人について、尿中に含まれる物質の一つである『ウロビリノーゲン』の値によって病気の可能性を判断する検査ができなかった模様である。同協会の臨床検査部長(当時)らは、同時に行った血液検査については、全員、肝機能の別の項目には異常が発見されなかったため、尿検査結果を「正常」と類推した上で通知したが、尿中のウロビリノーゲンの値については尿検査でしか分からない上、血液検査での代替は不可能という。

読売新聞によると、この捏造の事実は2010年1月内部告発で発覚し、同市は契約違反として同年2月15日から指名停止とした。また、毎日新聞によれば、同協会は2月に当該の96人について再検査を実施した。

両報道によると、同協会は同年6月に、臨床検査部門の幹部ら2人を減給にするなど、4人を懲戒処分とし、3人を口頭注意とした[1]。読売新聞によると、同協会は、「信頼を損ない、申し訳ない」とコメントしている。

毎日新聞によると、さらに明石市は、「健康に直結する重大な問題だ」として、2010年2月に、同協会を3カ月の指名停止とした。

読売新聞によると、明石市職員厚生課の清水保彦課長は、「検査結果の捏造であり、重要な問題。徹底して原因を調査し、同じことを繰り返さないようにしてほしい」とコメントしている。

情報源[編集]

注釈[編集]

  1. 毎日新聞より