寺島しのぶさんが日本人として35年ぶりに最優秀女優賞を受賞 - ベルリン国際映画祭
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【2010年2月22日】
第60回ベルリン国際映画祭の授賞式が2月20日夜(UTC+1)に行われ、若松孝二監督の映画『キャタピラー』に主演した寺島しのぶさんが最優秀女優賞を受賞した[1][2][3]。
日本人が同賞を受賞するのは、1964年の左幸子さん(『にっぽん昆虫記』『彼女と彼』)、1975年の田中絹代さん(『サンダカン八番娼館 望郷』)に次いで35年ぶり3人目となる[1][2][3]。
『キャタピラー』は、太平洋戦争の戦線で四肢を失った帰還兵とその妻を通して戦争の愚かさを描いた作品。寺島さんは、「軍神」と崇められる夫への献身を強いられる妻の役を演じた[1][3]。同作は、日本では8月に公開予定[2][3]。
寺島さんは舞台公演を控えていたために結果発表前に帰国しており[1]、授賞式では若松監督が代理で出席。「すべての国で戦争がなくなることを祈ります」という寺島さんのメッセージを代読した[1][3]。また、寺島さんは21日(UTC+9)に大阪市で会見を行い、「映画全体が評価されて、私が代表して賞をもらったと思っています。舞台があるのに、一睡もしていません」とコメントした[2]。
最高作品賞の金熊賞は、セミー・カプランオグルー監督によるトルコ・ドイツ合作映画『はちみつ』が受賞[2][3]。スイス当局により軟禁状態におかれているロマン・ポランスキー監督が、『ゴーストライター』で監督賞を受賞した[2]。また、閉幕作品として山田洋次監督の最新作『おとうと』が上映され、山田監督には特別功労賞「ベルリナーレ・カメラ」が贈呈された[2][3]。