大阪府、全国初の『君が代条例』成立
【2011年6月4日】
産経新聞によると、大阪府の橋下徹知事が代表を務める『大阪維新の会』(以下、「維新の会」)府議団が提案した同府施設における国旗の常時掲揚と、同府内の公立学校の教職員に対し国歌斉唱時の起立を義務付ける日本全国初の条例案に関して、府議会本会議は6月3日(UTC+9)に、議会の単独過半数を占める『維新の会』などの賛成多数で可決・成立した。
産経新聞によると、公明・自民・民主・共産の各会派は条例案に賛成しなかった。朝日新聞によれば、条例案に対しては、賛成が59票、反対が48票。自民党の府議の1人は退席した。正式な条例名は、『大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例』。内容は、同府内の公立小・中・高校などに於いて実施される学校行事で『君が代』を斉唱する際に、「教職員は起立により斉唱を行うものとする」と定めた。同府立学校など府の施設に於ける日の丸の掲揚も義務化することとした。
産経新聞によると、条例の目的としては、(1)次代を担う子供が、伝統を尊重し、日本と郷土とを愛する意識の高揚に資する、(2)学校における服務規律の厳格化を図る、などとした。条例には罰則規定は設けず、府内各市町村教委の服務の監督権限を侵すものではない、との条項も設けている。
産経新聞によると、橋下知事は、職務命令に従わないことを繰り返した場合における職員の処分の基準を明確化した条例案を、9月府議会に提案する方針。また、研修を経てもなお職務命令に従わない場合には、免職の方向で検討するとしている。
朝日新聞によると、『君が代』の斉唱に関しては、これまで各都道府県教委は、各学校に対し、国旗・国歌法や学習指導要領などを根拠として、起立斉唱を文書で指示。校長が起立を拒む教職員に対して職務命令を発し、各教委が命令に従わない教員に対し処分を実施してきている。大阪府教委も、2002年から各学校に対し指示しており、大半の教職員は起立斉唱を行なっているのが実態であるという。
産経新聞によると、橋下知事は同日午前に、「9年も前から、教育委員会が、国歌斉唱時に起立するよう定め、校長が指導してきているのに、未だに従わない教員がいるのは由々しき事態であり、公務員の規範を示す条例を定める必要がある」とコメントした。
産経新聞によると、最高裁は5月30日に、都立高校の教諭(当時)に対する国歌斉唱時の起立命令について、合憲であるとの初判断を示している。
情報源
- MSN産経ニュース 『全国初の国旗国歌条例成立 大阪府』 — 産経新聞社, 2011年6月3日
- asahi.com 『大阪府、君が代条例成立 教職員に起立斉唱義務づけ』 — 朝日新聞社, 2011年6月3日