地熱発電所で水蒸気が噴出 作業員1人死亡1人重傷 - 宮城・鳴子
【2010年10月19日】
10月17日午後3時35分頃(UTC+9)、宮城県大崎市鳴子温泉鬼首(おにこうべ)にある電源開発(Jパワー)鬼首地熱発電所で、地下から水蒸気や土砂が約30mの高さまで爆発的に噴出した[1][2]。
同発電所から「けが人が出ている」との110番通報を受けた鳴子署の調べによると[2]、当時現場にいた作業員4人はそれぞれ別の方向へ逃げたが[2]、このうち同市在住の男性作業員(48)が全身に火傷を負う重傷で[1]病院に搬送された[2]。また、秋田県湯沢市在住の男性作業員(63)は逃げた後に連絡がつかず行方不明となったが[1][2]、翌18日の捜索により、現場近くの土砂の中から遺体で発見された[3]。残りの作業員2人は無事であった[1][2]。
鳴子署によると、事故現場は発電所の施設から南西に約300m離れた地表[1][2]。10月8日に同地点で水蒸気が20mほどの高さに[注釈 1]噴出したため、11日より重機[注釈 2]を用いて、水蒸気が噴出している穴を石でふさぐ作業を行っていた[1][2]。
宮城県警や[4]消防の話によると[1]、作業員らが作業を行っていた現場付近は、噴出した大量の土砂により車両や重機が埋まり[1][4]、土砂の厚さが2mにおよぶ場所もあったという[3][4]。
高田幸典・発電所所長代理は、「これほど大規模な噴出は初めてのことであり、予見できなかった」と述べた[3]。また電源開発の幹部は18日の会見で、「全国の地熱発電所でも初めての事故であろう」と述べた[4]。同発電所は1975年に操業を開始した[1][2][4]日本国内で4番目に古い地熱発電所で[1]、最大発電出力は15,000kW[2][4]。2008年10月には火山性の硫化水素とみられる有毒ガスが噴出、作業員3人が倒れ病院に搬送される事故が起こっている[1][4]。
注釈
[編集]情報源
[編集]本ニュースは「共同通信」、「朝日新聞」および「毎日新聞」の以下の報道を情報源としている。
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 47NEWS 『鳴子の地熱発電所で水蒸気噴出 作業員1人不明1人重傷』 — 共同通信社, 2010年10月17日
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 asahi.com 『地熱発電所で水蒸気噴出 作業員1人が全身やけど 宮城』 — 朝日新聞社, 2010年10月17日
- ↑ 3.0 3.1 3.2 asahi.com 『地熱発電所、事故前に水蒸気急増 不明男性の遺体発見』 — 朝日新聞社, 2010年10月18日
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 毎日jp【須藤唯哉・三村泰揮】 『鬼首地熱発電所の水蒸気噴出:死亡事故 Jパワー「予知できず」 /宮城』 — 毎日新聞社, 2010年10月19日