元F1レーサーの片山右京さん、富士山で遭難 同行の男性2人が死亡
【2009年12月24日】
12月18日午前0時50分頃(UTC+9、以下同様)、富士山に登山中の元F1レーサーで登山家の片山右京さん(46)から「一緒に登山していた男性らのテントが飛ばされた」という通報が、片山さん自身の経営する企画会社の関係者を通じて静岡県警御殿場署に入った[1][2][3]。
同日午前7時35分頃、片山さんから「同行していた男性1人が死亡した。もう1人も危険な状態」と御殿場署に連絡があった[1][2]。県警の山岳救助隊が捜索に当たり、同日午後0時20分頃、標高2200メートルの三合目付近で片山さんを保護した[2][3]。
保護された際、片山さんは救助隊に「(同行した男性)2人は亡くなっているようだ」と話したという[1]。県警が捜索を続けた結果、12月19日午後0時40分頃、標高約2800メートルの6合目付近で倒れている男性2人を発見し、死亡が確認された[4][5][6]。死亡したのはいずれも片山さんが経営する企画会社の社員で、東京都八王子市の宇佐美栄一さん(43)と、横浜市港北区の堀川俊男さん(34)の2人であると確認された。死因は凍死と見られている[4][5][6]。
御殿場署によると、片山さんは12月17日午前4時頃に神奈川県相模原市の自宅を出発し、静岡県小山町の須走口から富士山に入山した[3]。片山さんの乗用車は、静岡県御殿場市の御殿場口付近で発見されている[1]。県警によると、同行した宇佐美さんは20年の登山歴をもつベテランであり、堀川さんも5年ほどの登山歴をもっていた[5]。一行は17日夕方から標高2750メートル付近で野営を行っていたが、同日夜に宇佐美さんら2人が強風に煽られ、テントごと約200メートルにわたって滑落したという[4][5]。
静岡地方気象台によると、寒波の影響で、12月18日未明の富士山頂の気温は氷点下25度を下回ったという[3]。
企画会社によると、片山さんは南極大陸最高峰のビンソン・マシフ(4897メートル)登頂を目指すために12月25日に南極へ向かう予定[1]で、訓練のために富士山へ登山していた[2][3]。
また、県警が冬山登山の際に提出を要請している登山計画書を、片山さんらが提出していなかったことが12月19日に分かった[6]。山岳関係者は、「提出は法で定められたものではないが、遭難時の捜索に関わってくるため、山登りを行う人間の間では提出していくのが常識」と指摘している[6]。
情報源
[編集]本ニュースは「朝日新聞」と「読売新聞」、「共同通信」、「サンケイスポーツ」の以下の報道を情報源としている。
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 asahi.com 『片山右京さん富士山で遭難、救助される 同行2人死亡か』 — 朝日新聞社, 2009年12月18日
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 YOMIURI ONLINE 『片山右京さんら富士山で遭難…本人救助、2人捜索』 — 読売新聞, 2009年12月18日
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 47NEWS 『片山右京さん、富士山で一時遭難 同行の2人死亡か』 — 共同通信社, 2009年12月18日
- ↑ 4.0 4.1 4.2 asahi.com 『片山さんと遭難の2人の遺体確認 静岡県警』 — 朝日新聞社, 2009年12月19日
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 47NEWS 『富士山で不明の2人、遺体で発見 片山右京さんと登山中に遭難』 — 共同通信社, 2009年12月19日
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 SANSPO.COM 『片山右京さんら「登山計画書」を提出せず』 — 産業経済新聞社, 2009年12月20日