中止されていたフランス・カメルーン間の航空路線、再開
【2005年9月22日】
19日、フランス・カメルーン間の各社航空便が、3日間の運行停止ののち再開された。
16日、フランス政府はカメルーン航空に対し、フランス国内の空港利用とフランス上空の飛行を禁止する処分を下した。その後、19日のロイター通信や米国営アメリカの声(VOA)などの報道によれば、フランス政府は、カメルーン航空にチャーター専門会社イタリア航空の機材を使ってフランス・カメルーン航路を運行することを許可した。また、エール・フランス航空は、19日から、パリのシャルル・ド・ゴール国際空港とカメルーンの二つの空港、ドゥアラ国際空港とヤウンデ国際空港の間の運航を再開した。エール・フランス航空では、先の禁止処分の影響を懸念して、16日の金曜日からカメルーン便の運行を停止していた。
フランス運輸省航空総局(DGAC)は8月29日に航空会社5社に安全性などを理由に同様の飛行禁止措置をとり、そのリストを公開した。今回のカメルーン航空飛行禁止措置はこれに続くもの。カメルーン航空の飛行禁止措置の理由は、国際的な安全基準の逸脱であるとされる。具体的には、磨耗したタイヤ、水圧システムからの漏出、危険物の運搬、安全記録装置の老朽化などである。ロイター通信によれば、この判断のもととなった調査は、今年の春に行われた。
この禁止措置の後、エール・フランス航空は、ドゥアラ国際空港の地上設備に不安があるとしてカメルーン便を停止していた。これに対し、カメルーン側が改善を約束したとロイター通信は伝えている。カメルーンの空港従業員の一組合の幹部は、飛行禁止措置が取られている間、エール・フランス航空に対し何らかの行動を取ると脅していた。
16日に飛行禁止措置が取られた後、フランス・カメルーン間の航空便が途絶したために、再開までの3日間に数百人が影響を蒙ったと報道は伝えている。
19日のロイター通信によれば、カメルーン航空はフランス便を週4本運行し、同社の商用飛行の75パーセントを占めていた。カメルーン航空はすでにイギリスからも飛行禁止措置を受けている。VOAは今回の飛行禁止が、カメルーン航空の経営に悪影響を与えると指摘している。
飛行禁止措置について、カメルーンの国内では、失望や反発が広がっている。カメルーンにとって、フランス便はヨーロッパへのもっとも主要な航空路となっており、フランスは他の行き先への乗り換え先となっている。
カメルーン航空は、安全性向上と操業改善のために単独の監査を受けることで合意している。
現在、フランス上空の飛行禁止措置を受けている会社は、カメルーン航空を含めて6社。他に、北朝鮮の高麗航空、アメリカ合衆国のセントトーマス航空、リベリアのインターナショナル航空、モザンビークのモザンビーク航空、タイのプーケット航空が飛行禁止措置を受けている。
出典
- "France, Cameroon air row cools"。Reuters、2005年9月19日。
- Nico Colombant "Flights Resume Between France and Cameroon"。Voice of America、2005年9月19日。
- "http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/4257634.stm"。BBC、2005年9月18日。
- 『仏政府が航空会社のブラックリストを公表、上空飛行が禁止に』 — ロイター, 2005年8月30日