不正B-CASカード製造者が日本国外で初摘発 - 台湾
【2014年8月15日】
日本の有料テレビ放送を視聴するのに必要とされる「B-CASカード」のデータを、無料で見られるように書き換えた不正カードを日本向けに販売した疑いで、台湾の男2人が捜査当局に検挙された[1]。
今回の問題で告訴していた日本のB-CASカード管理会社によると、台湾の警察当局へ現地8月13日に「著作権法違反」容疑として、台湾人の男2人が逮捕された。彼らは「BLACK CAS」という会社名を用いて日本語の通販サイトを運営しており、台湾で作成した不正カード約2万枚を、1枚当たり約1~5万円で販売したとされている。この2人が運営していたサイトは、日本における不正カード流通で黎明期から存在していたとされる。これまでも日本各地で不正カードの摘発は相次いで発生してきたが、日本国外の関係者が摘発されたのは今回の逮捕が初めてのこととなる[2]。
捜査当局は日本で不正なカードの広告がインターネット上に掲載され、台湾から郵送されることが相次いでいたことから、カードを偽造して日本に輸出するための拠点が台湾にあるものと見て捜査が行われた。捜査当局は2人の事務所などを捜索、約11,000枚の不正カードを押収した。このカードは、日本の放送事業者の正規の視聴契約なら、1か月で5万円程度かかる有料放送の番組を、2038年まで無料で見られるようにデータを書き換えたとされている[1]。著作権侵害の被害額は約1700億円に上るとみられる[2]。警察当局は、このカードの偽造などが組織的に行われたものと見て、その他に関与した人物がいないかを調べている[1]。
摘発された業者は、今回の摘発前の8月5日に「BLACK CAS社はB-CAS株式会社に買収されました」とする告知を掲載したが、日本の正規B-CASカードの管理会社であるビーエスコンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS社)は「そのような事実は一切ない」として否定した。不正カードに関してB-CAS社は「不正カードの購入や使用は刑事罰の対象になる」と訴え、購入を一切しないように一般ユーザーへ向けて注意喚起を行っている[3]。
情報源
[編集]- ↑ 1.0 1.1 1.2 『B-CASカード 台湾で偽造・販売か』 — 日本放送協会, 2014年8月14日
- ↑ 2.0 2.1 共同通信 『台湾で不正B-CAS摘発 海外で初、男2人逮捕 著作権侵害額1700億円に』 — 産経新聞, 2014年8月14日
- ↑ 『「BLACKCAS」サイトに「B-CASに買収された」と突然の告知 「そのような事実は一切ない」とB-CASは否定』 — ITmedia, 2014年8月6日