ライブドア・新経営陣を発表

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2006年1月25日】

朝日新聞、中日新聞によると、インターネット関連企業のライブドアは1月24日、取締役会を行い、23日に証券取引法違反容疑で東京地方検察庁に逮捕された堀江貴文容疑者が社長職を退き、代って子会社の会計ソフト販売会社弥生社長でもある平松庚三(ひらまつ・こうぞう)副社長が社長に昇格し、また堀江前社長が保持していた代表権を熊谷史人取締役に付与し、同氏を代表取締役とする人事を発表した。また逮捕された3人の取締役のうち、宮内亮治容疑者については辞任届けが受理された。

中日によると、平松氏はAVメーカー・ソニーを経て、外資系企業の社長などを歴任した後、弥生の社長に就任した。弥生は2004年の12月にライブドアが買収し傘下に収めている。また熊谷氏は経理財務担当の取締役をこれまで担当し、今回の事件で東京地方検察庁からの任意取調べを受けていた。

なお今回の業務執行は平松新社長が中心となるが、取締役を持っていないことから、逮捕者以外の唯一の常勤取締役となった熊谷氏が代表権を持つ変則的なものとなったが、平松氏が取締役に就任するかについては現段階では未定となっている。

朝日、ライブドアによると、記者会見で以下のようなやり取りが行われた。

  • 事件に関与していないか
    • 熊谷氏「捜査中なので回答できない」
    • 平松氏「全て弥生がライブドアグループに入る前のことと認識」
  • 経営の舵取りについては
    • 平松氏「業務執行は私(平松氏)が行い、熊谷氏ら取締役がそれをチェックする」
  • 経営の建て直しについて
    • 平松氏「具体的な施策を出すには時間をいただきたいが、優秀な人材がいるし質の高いサービスもある。今回の事件で崩れかけたチームの建て直しを図りたい」
  • ライブドア本体、あるいは関連会社の身売りは
    • 熊谷氏「考えていない。資金繰りが安定しているし、今ある資産を有効に活用して新たな会社作りをしたい」
  • 事件に関与していないのであればそれを表明すべきではないか
    • 熊谷氏「捜査中なので、回答を控えたい。」
  • コンプライアンス(法令順守)はどう考えたか
    • 平松氏「認識の深さが充分とはいえなかった。」
  • 社名変更については
    • 熊谷氏「現在は考えていない。ライブドアの名前で再び大きく成長できるようにしたい」

また中日によると、堀江前社長と岡本文人容疑者はまだ会社が辞任届けを受理していないことから当面は取締役に残る見通しだが、有罪となった場合は「再び迎え入れることはない」(熊谷氏)としている。なお、ライブドアは6人の取締役のうちの3人が逮捕され、過半数が必要な取締役会の開催と決議が出来なくなり、宮内容疑者が24日にそれを辞任したことから急遽新人事を発表したものである。

出典[編集]