ベルリン地方裁判所がウィキメディア財団に仮処分命令
【2006年1月21日】
この記事は、ウィキメディア財団もしくはそのプロジェクトについて扱っています。
ウィキニュースも財団のプロジェクトのひとつであることにご注意ください。 |
ベルリンのシャルロッテブルク地方裁判所はウィキメディア財団に対して仮差し止め命令を出した。ドイツ語版ウィキペディアにあるハッカーの本名が掲載されていたためである。「トロン (Tron)」として知られていたドイツ人ハッカーの遺族が、2005年12月14日にベルリンでこの仮命令を獲得した。この命令には最初ロシアのサンクトペテルブルクあてに書かれていたので、12月19日に米国フロリダ州セント・ピーターズバーグあてに修正された。
このハッカー、トロンは、有料テレビや電話のプリペイドカードの暗号のクラッキングを最初にした人物として有名になった。トロンは1998年に26歳で死亡した。検事の調査の結果、自殺とされた。このハッカーの死の性質について、疑問があがった。
裁判所はドイツ語版ウィキペディアに対してこのハッカーの本名をすべて、それがいかなる形式を取っていたとしても取り除くように命じた。裁判所はこのハッカーが彼の本名では決して働かず、ネット上のハンドルを代わりに使っていたという事実によって、正当性を示すことができると語った。
ウィキメディア財団のサーバーがドイツでなくて米国にあることで、命令の適法性に疑問があった。財団が応じるかどうか、また家族の代理人に執行を促進する手段があるかどうかについては、不確かなままである。この事件は、多くのドイツのメディアがハッカーの本名を公表することをむしろ促す結果となった。
同裁判所は2006年1月17日になって、ドイツ・ウィキメディア協会(財団のドイツ支部)に対し、同じ理由を持って、www.wikipedia.de から de.wikipedia.org にリダイレクトする事を止めるよう、予備命令を発した。ドイツ・ウィキメディア協会は応じたものの、協会弁護団はトロンの本名は既に長い間認知されているとして、上訴する事を発表した。
出典
[編集]- German Wikinews "Amtsgericht Charlottenburg erlässt einstweilige Verfügung gegen die Wikimedia Foundation". Wikinews, January 19, 2006
- "Wikipedia.de derzeit abgeschaltet (Update)". Golem, January 19, 2006
- Stud. Jur. Philipp Otto "Rechtsstreit um postmortalen Persönlichkeitsschutz eines Hackers". e-recht24.de, January 16, 2006
- "Klarstellung zu Wikipedia vs. Tron". CCC, January 13, 2006
- ANNABEL DILLIG "Die Hacker im Cyber-Märchen-Wald". sueddeutsche.de, January 11, 2006
- Burkhard Schröder "Hacker leben nicht gefährlich". Heise.de, January 10, 2006
ドイツ語版ウィキニュースと英語版ウィキニュースからの翻訳です