フランス・パリで同時多発テロ 120人以上が犠牲
【2015年11月15日】
現地時間11月13日夜、フランスのパリで同時多発テロ事件が発生し、パリ市中心部の劇場やレストラン、また郊外のサッカー場などが、武装勢力による襲撃の被害にあった。この事件で少なくとも127人が死亡、300人以上がけがを負った[1]。
今回のテロは、パリ郊外のサッカー場で行われたフランス対ドイツの試合会場近くのバーで自爆テロとみられる爆発が起こったことが発端で、この後すぐにパリ市北部のコンサート会場で、アメリカから出演したロックバンドのコンサート中に、武装した男ら数人が会場の外のカフェで自動小銃を乱射し、そのまま会場に入って乱射行為を10分から15分以上続けたという。コンサート会場には1000人を超える聴衆がおり、ある観客は「コンサート中にすぐ後ろで大きな音がして、誰もがショーの演出だと思った。みんなで身を寄せ、身体を地締めていたが、犯人のテロリストは四方八方に発砲を続けた」と当時を語っている。この会場でも治安部隊が突入し、犯人が自爆行為をするなど、さながら戦場のような雰囲気だったといい、会場にいた少なくとも80人以上が死亡。犯人も死亡した[2]。
フランスのオランド大統領は、「前例のないテロが起きた」として、1962年のアルジェリア戦争終結以来となる、非常事態宣言を発令、フランスとの国境を封鎖すると発表し、国民に対しても冷静な対応と結束をするように呼びかけた[3]。
さらにオランド大統領は緊急国防会議後の会見で「周到に準備された戦争行為であり、IS(イスラム国)によって実行された」と、このテロ事件はISによる犯行であるとする見方を示した[4]。
旅行業界ではツアー中止も
今回の一連のテロ事件を受けて、日本の旅行業者各社は、11月14日、フランスツアーの開催の取りやめを発表し対応に追われている。このうちJTBは11月14・15日に出発する予定だった主要なパッケージツアーの開催を取りやめを決めた。すでに出発しているツアー客も300人以上がパリに滞在していたが、被害の情報は確認されていない。また日本旅行も15・16日出発のツアーを中止し、参加予定者に連絡をしたほか、すでに出発しパリに滞在している約160人についても安否確認を続けている。HISはツアーそのものは行うとしているが、14-16日に出発するツアーへの参加をキャンセルした場合には旅行料金を返還するとしている[5]。
また、パリを修学旅行で訪れていた作新学院高校の生徒39人は、旅行の初日にフランスに到着し、そのホテルへのチェックインをした後に事件が発生したが、参加者全員は無事が確認されている。同高校では現地の旅行代理店との相談をしながら、日程の切り上げによる帰国も含めて検討している[6]。
情報源
- ↑ パリ・本間圭一、井口馨 『戦後最悪パリ同時テロ、少なくとも127人死亡』 — 読売新聞, 2015年11月14日
- ↑ 『パリで同時多発テロ、120人超死亡 フランス全土に非常事態宣言』 — TBSテレビ, 2015年11月14日
- ↑ パリ・賀有勇 『パリ同時多発テロ:自爆テロや銃乱射 120人死亡』 — 毎日新聞, 2015年11月14日
- ↑ 『パリ同時テロ 仏大統領「ISによる犯行」』 — 日本放送協会, 2015年11月14日
- ↑ 『JTB、HISなど日本の旅行会社 仏ツアー中止』 — 日刊スポーツ, 2015年11月15日
- ↑ 『パリ同時テロ、修学旅行中だった学校は・・・』 — TBSテレビ, 2015年11月14日