ナスカの新たな地上絵、山形大の研究チームが発見
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【2011年1月19日】
毎日新聞・読売新聞によると、山形大学は、人文学部の坂井正人教授らの研究チームが、1994年に世界遺産登録された『ナスカの地上絵』で知られるペルー・ナスカ台地で、人間の頭部及び動物と考えられる地上絵2点を新たに発見したと、1月18日(UTC+9)に発表した。
毎日新聞が同大学の話として伝えたところによると、新たな地上絵が発見された場所は、ナスカ台地南西部の『カワチ神殿』付近。2点とも台地上に存在する黒い色の石を取り除くことによって描かれており、人の頭部と見られる絵は縦約4.2メートル、横約3.1メートルで、目・口・耳らしき物が確認できる。付近で発見された土器などから、ナスカ期(紀元前200年~紀元後600年頃)前期あるいはそれ以前に描かれたものと推定されている。一方、動物と見られる絵は縦約2.7メートル、横約6.9メートルで、胴体や足のようなものが確認できるものの、動物の種類や描かれた時期などは不明であるという。
読売新聞によると、この他に、人が移動する際の手掛かりにされたと考えられている放射線状の直線が交差する場所(ラインセンター)も新たに76点が発見された。これまでの研究で発表されていたラインセンターは62点のみで、これだけ大量に発見されたのは前例が無いことだという。
毎日新聞によると、ナスカの地上絵はこれまで1,000点以上が確認されている。坂井教授らのチームは、2006年に衛星画像を分析して100点以上の地上絵を発見したが、今回発見された新たな2点について、渡辺洋一・人文学部長は「神殿と地上絵の関係などの解明に繋がる可能性のある重要な発見である」と述べた。
情報源
- 林奈緒美(毎日jp) 『ナスカ:新たな地上絵2点を発見…山形大研究チーム』 — 毎日新聞社, 2011年1月18日
- YOMIURI ONLINE 『ナスカの地上絵に人間の頭部?…山形大発見』 — 読売新聞社, 2011年1月18日