イラク国民投票、一部で数えなおしへ

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)
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【2005年10月19日】 イラク独立選挙管理委員会(IECI)は、先週末の憲法草案国民投票の開票について、一部の州で投票の偏りがあるため、開票結果を今後検査すると発表した。これにより20日に予定されていた確定結果の発表は延期される見通し。

イラク独立選挙管理委員会のアデル・アラミ委員長は詳細を明らかにしていないが、いくつかの州での投票結果が国際的基準に照らし、賛成・反対が極端に偏っていると述べた。

匿名を条件にBBCの取材に応じたある関係者は、投票率と結果の両方が関心を呼んでいると語った。問題とされているのは、南部のシーア派地域と北部のクルド人地区での投票結果だという。

当局は「最初の検査をいま行っている。技術的な間違いか不正行為かは判断していない。むしろ現在問題となっているのは単に偏りがあるということにすぎない」としている。最初の集計では、シーア派が多数を占める南部の6州では、新憲法草案への賛成は90%を超えた。一方スンニー派アラブ人が多数を占めるサラーフッディーン県では、草案は80%以上の反対で否決された。スンニー派が多数を占める別の州での反対は54%台だった。

ある消息筋は「90%の賛成があった場合、コンピュータがただちに警告をだし、手による集計が行われる。つまり投票結果はより丹念に検査される」と語った。

国際連合は投票が順調に行われたとしている。しかしスンニー派の政治指導者には、賛成票の水増しをする不正操作を疑うものがいる。

エジプトの新聞「ミドル・イースト・タイムズ」国際版によれば、ジョージ・ウォーカー・ブッシュ米大統領はイラクの賛成反対両派に賞賛を送った。「スンニー派が投票に参加したことを喜ばしく思う。投票箱まで行くことにするという考え自体がよい変化だ」とブッシュ米大統領は述べた。

BBCによれば、コンドリーザ・ライス米国務長官は、草案は承認される見込みだという第一報を受け取ったと述べ、国連とイラク当局者を驚かせた。国連の選挙管理協力チームを率いるカリーナ・パレッティ氏は「ライス氏が独立選挙管理委員会(IECI)より詳しい情報を得ているのでない限り、投票率や投票結果を知る方法はない」とBBCに語った。独立選挙管理委員会のフセイン・ヒンダウィ氏は「私が知る限り、ライス氏はIECIには関係していない」とBBCに語った。

IECIは不正投票については一切公式の声明を出していない。またある選挙管理委員は、投票結果の数え間違いがあったか、結果に数え間違いが影響するかについてまだなにもわかっていないことに注意を喚起した。

イラクは、クルド人、スンニー派アラブ人、シーア派アラブ人の大きく3つの民族集団に分かれている。シーア派とクルド人は新憲法草案を支持しているが、イラクでは少数派であるスンニー派アラブ人には国内での影響力低下を懸念し、反対の立場をとっている。

イラク戦争で主な戦場となった2州で賛成が多数を占めたため、投票の偏りは全体の結果に影響しないのではないかと観測されている。選挙委員会は、投票の数え直しを行っており、確定結果の発表は予定より数日遅れる見込みであると述べた。

英語版ウィキニュースからの翻訳です。


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