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イタリア、イスラム教指導者を追放

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2005年9月7日】 イタリア政府は、6日欧州中央夏時間午前(日本時間6日夜)、モロッコ生まれのイスラム教指導者(イマーム)ブーリキ・ブチュタ氏(40)を、7月に成立した対テロ法に基づき、国外追放の上、モロッコに送還した。6日現地時間の夕方から夜にかけて(UTC+1または+2、日本時間7日未明)、BBCなどヨーロッパのメディアが報じた。

イタリアの報道機関によると、イタリア内務省は、ブーリキ・ブチュタ氏を「自称イマーム(導師)」としている。各報道機関はブチュタ氏はオサーマ・ビンラーディン氏を賞賛したために告発されたと伝えている。ブチュタ氏は2001年9月の同時多発テロ以来、金曜の礼拝でオサマ・ビン=ラーディン氏を賞賛しているとして非難されていたが、ブチュタ氏はこのことを一貫して否定していた。イタリア政府はブチュタ氏が「治安にとって危険である」と形容したとBBCは伝えた。

またADNクロノスによると、イタリア・ムスリム連盟のアデル・スミス議長やイタリア・ムスリム共同体連盟のロベルト・ハムザ・ピッカルド副議長など、イタリアのイスラム教指導者たちは反発や逮捕への驚き、ブチュタ氏への擁護を示している。ピッカルド副議長は「性急というより不意打ちだ」「ブチュタ氏は審問も裁判も受けていない」などとADNクロノスに対し語った。

またイタリアの報道機関は、ムスリム関係者の発言として「ブチュタ氏はイスラムとキリスト教の対話を進める穏健な指導者」という評を伝えている。

一方、イタリアのANSA通信は、連立与党で反移民政策を採る北部同盟と、ブチュタ氏の間の対立を報道している。ANSAによると、地元の北部同盟関係者は今回の送還を歓迎している。

ブチュタ氏は、北部イタリアのトリノ在住。BBCによると、1990年代初期から、ANSAによると1986年からイタリア在住。ANSAによると、3人の父親で、肉屋をいとなむ傍ら、モスクで礼拝の指導に当たっていた。送還されたのはブチュタ氏のみで、妻と3人の息子はトリノに残っている。

BBCは家族の証言として、トリノの自宅で午前3時(日本時間午前10時)か4時に逮捕されたと伝えた。ADNクロノスによると、イタリア内務省は、ブチュタ氏を現地時間午前4時30分に逮捕し、午前10時30分のミラノ・マルペンサ空港発のモロッコ行き飛行機で送還した。

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