阿久根市・竹原市長失職決定 住民投票でリコール

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2010年12月6日】

テレビ朝日によると、鹿児島県阿久根市竹原信一市長の市政運営に反発する市民が行ったリコールについての住民投票が行われ、リコールの賛成票が過半数を超えたため竹原氏の市長失職が決まった。

西日本新聞によると、竹原氏は2008年に市長選挙で当選したが、議会多数派と対立。一度2009年不信任決議を受けて失職するも、5月に行われた出直し市長選挙で再選。しかし2010年に入り、定例議会の出席を拒んで、議会との対立が深まり、4月から7月にかけて職員のボーナス半減や副市長選任などの専決処分を繰り返し、議会召集を求める鹿児島県からの是正勧告を無視するなどしていた。このことからリコール委員会が、「三権分立議会制民主主義を完全に否定する独裁で、市長の資質に欠ける」として、有権者の半数以上から署名を集めてリコール請求を行い、今回の住民投票となった。

住民投票は12月5日に開催され、投票率75.63%、有効投票数14688票。賛成が7543票、反対が7145票の賛成過半数で竹原氏のリコールが成立し、地方自治法により即日失職が決定した。テレ朝によると、今後50日以内に出直し市長選挙が行われる予定で、その選挙に竹原氏のほかリコール委員会からの候補者擁立が予定され、激しい選挙戦が予想される。

毎日新聞によると、リコール委員会の川原慎一委員長は「これからは政策面をはっきりと打ち出して訴える。気を引き締めて努力しないと勝てない」と市長選挙へ向けての抱負を述べ、同委員会の西平良将幹事を市長選挙に擁立することを話している。一方竹原氏は「市民が市政に関心を持つことはよいこと」と平静を装ったが、リコール成立が決まると「残念さはない。市民が学ぶ貴重な機会だった。接戦だったことは非常によかった。市民が1票の重さを理解したと思う」と話している。また竹原氏派の議会議員が解散請求を起こしており、阿久根市の混乱は続いている。

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