新型インフルエンザ、アメリカで初の死者 - 滞在中のメキシコ人幼児

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)
メキシコシティの地下鉄にて防護マスクを付けている乗客達。(2009年4月)
CC BY-SA 2.0

【2009年4月30日】

毎日新聞によると、米国疾病(しっぺい)対策センター(CDC)は4月29日、新型インフルエンザブタインフルエンザ)でテキサス州にて1歳11ヶ月の幼児が死亡していたことを公表した。この幼児はメキシコ人で、メキシコ合衆国からアメリカ・テキサス州の親戚宅に旅行していたという。

同記事によると、テキサス州ヒューストン市の公衆衛生当局者が行った同日の会見によると、この幼児はアメリカとの国境にあるメキシコ合衆国・マタモロスに住んでおり、リオグランデ川をはさんで北側の国境の町・テキサス州ブラウンズビルの親戚宅を訪れていた。その後に発病したため、4月13日に同地で一度入院した後、14日にはヒューストンの病院へ転院したが、4月27日に死亡。これまでに家族や幼児に接触した人間への伝染は確認されていないという。

読売新聞によると、オバマ・米国大統領は「最大限の警戒を要する深刻な状況なので、全米で感染の監視に当たる」とする声明を29日に出した。

同記事によると、新型インフルエンザ感染の疑いや確認された人は31の国・地域に広がりをみせており、今回の死亡者が出たアメリカにて感染が確認されているのは10州計91人、メキシコ合衆国では感染によると思われる死者が159人という。

世界保健機関、フェイズ5へ警戒度を引き上げ[編集]

朝日新聞によると、世界保健機関(WHO)マーガレット・チャン事務局長は29日深夜(UTC+2)の緊急記者会見で、警戒レベルを27日に引き上げたばかりのフェイズ4からフェイズ5[1]に引き上げると発表した。

読売新聞によると、WHOのケイジ・フクダ事務局長補代理は4月29日の記者会見において、この新型インフルエンザが収束する兆しがない認識を示し、警戒レベルの危険度がフェイズ5に迫っているとして、引き上げを協議する緊急の委員会が29日か30日に開催される可能性を述べていた。

脚注[編集]

  1. 読売新聞の記事に挿入されている表によると、インフルエンザの危険レベルは全体で6段階あり、フェイズ5は2番目に危険度が高く、「世界の6大陸のうち、1大陸にある複数の国・地域で大流行している」状態の事を指している。

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