セブン・イレブンの値引き販売制限は独禁法違反 - 元加盟店主の訴え認める

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2011年9月16日】

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毎日新聞読売新聞によると、大手コンビニエンスストアチェーン・『セブン-イレブン・ジャパン』(本部:東京都)のフランチャイズを経営していた男性が、値下げ販売を不当に制限され損害を受けたなどとして、同社に対し約2,600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決公判が、9月15日UTC+9)に福岡地裁であった。

読売新聞によると、同地裁の田中哲郎裁判長は、「会社が値下げを止めるよう指導した行為は、販売価格の自由な決定を拘束しており、独占禁止法違反に当たる」と判断し、原告の男性側の請求を一部認定し、同社に対し約220万円の支払いを命じた。毎日新聞が原告側弁護団の話として伝えたところによると、値下げ制限を巡る同種の訴訟は東京地裁などで複数係争中だが、明確に独禁法違反と認定し賠償を命じたのは全国初。

毎日新聞によると、訴えていたのは、福岡市博多区1997年から2008年にかけて同社のフランチャイズ店舗を経営していた57歳の男性。

毎日新聞によると、判決では、1997年に同社と加盟店基本契約を締結した際、売り上げの粗利に応じた経営指導料などの名目でのロイヤルティーを支払う契約内容になっていたが、仕入れたものの販売期間が切れていた弁当など廃棄商品の原価については、ロイヤルティー算定上の売上原価には含まれない代わりに、店自身が負担。その一方で、販売期限の近付いた弁当などを値引きする「見切り販売」についても制限されていたことなどから、店主側は損害を被ったと主張。読売新聞によれば、男性の経営する店舗は、2005年からクーポン券を利用した値下げ販売を開始したが、同社側は契約解除などを通知してきたとしている。

毎日新聞によると、田中裁判長は判決で、フランチャイズ店が値下げ販売を実施しようとする度に、同社の担当社員が値下げ販売を止めるよう指示し、応じない場合には契約解除などを示唆していたと認定し、その上で、「店側の取引を不当に拘束した。拘束が無ければ、値下げすることで利益を上げることができた」と判断した。また、契約時に複雑なロイヤルティーの仕組みに関する説明が不足していたとの原告の主張についても「セブン-イレブン側が説明すべき義務を怠った」と認定した。しかし、原告の店舗近くに同社の店舗が相次ぎ開設されたことが同社の不法行為であるとの主張については認めなかった。

毎日新聞によると、同社の見切り販売制限については、公正取引委員会2009年6月に、独禁法上の優越的地位の濫用に相当するとして、排除措置命令を出している。現在、同社は廃棄原価の15%を負担するなどしているという。

毎日新聞によると、被告側の同社は「判決は承服できるものではなく、控訴する」とコメントした。

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