アロンソ優勝でルノーが開幕3連勝、2006年F1オーストラリアGP

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2006年4月2日】


3月31日に開幕した2006年F1オーストラリアGPは4月1日午後2時(UTC+10、日本時間午後1時)、決勝レース(58周、307.574km)がスタートし、ルノーフェルナンド・アロンソ(スペイン)が優勝した。ルノーは開幕から3連勝。毎年荒れると言われるオーストラリアGPは、今年は4回もセーフティカーが入り、9台がリタイアする大混乱のレースとなった。

気温20度、路面温度27度というコンディションの中、午後2時にスタートしたフォーメーションラップマクラーレンファン・パブロ・モントーヤ(コロンビア、4番グリッドスタート)が最終コーナーでスピン。更には、スタートグリッドに付いたルノーのジャンカルロ・フィジケラ(イタリア、2番グリッドスタート)はマシンのエンジンがストップしてしまい、イエローフラッグが振られ、エクストラフォーメーションラップからのスタートやり直しに。これにより、決勝は57周での争いとなった。J-P. モントーヤはエクストラフォーメーションラップで元の位置に戻ったが、G. フィジケラはピットからのスタートとなった。

エクストラフォーメーションラップからのスタート直後、1周目でフェラーリフェリペ・マッサ(ブラジル)とトヨタヤルノ・トゥルーリ(イタリア)がそれぞれ接触でスピンし、コースを塞ぐ形でマシンを止めたため、スタート直後からセーフティカーが入る波乱の幕開けとなった。ウイリアムズのニコ・ロズベルグ(ドイツ)はF. マッサと接触した際にリアウイングを損傷し、ピットインするもマシンから白煙があがり、レースを終えた。1周目から早くも3台がリタイアしてしまった。

セーフティカーが抜けた2周目の再スタート直後、ホームストレートでF. アロンソはポールポジションスタートのジェンソン・バトンホンダ、イギリス)を抜きトップに立った。3周目にはレッドブルクリスチャン・クリエン(オーストリア)がバランスを崩し壁に激突、リタイアした。6周目にはこのクラッシュの影響で、再びセーフティカーが入った。8周目にはセーフティカーが抜けたが、再スタート直後の1コーナーでJ. バトンはマクラーレンのキミ・ライコネン(フィンランド)に抜かれ、3位に落ちた。フェラーリのミハエル・シューマッハ(ドイツ)はレース中盤、トロ・ロッソヴィタントニオ・リウッツィ(イタリア)に抜かれ、同じくトロ・ロッソのスコット・スピード(アメリカ)にも接近戦を演じられるなど、厳しい状況が続いた。

各マシンが1回目のピットストップを終える中、ウイリアムズマーク・ウェバー(オーストラリア)がトップに立ったが、23周目で一気にスピードダウンし、リタイアした。

全車が1回目のピットストップを終えた後、F. アロンソはトップを維持し、K. ライコネンが2位、J-P. モントーヤが3位に立った。序盤苦戦していたM. シューマッハは5位に立ったが、33周目の最終コーナーでマシンのコントロールが効かず壁に激突し、リタイアした。このクラッシュでホームストレート上にパーツが散乱したため、3回目のセーフティカーが入った。直後、F. アロンソ以下トップ3台はピットインしたが、K. ライコネンとJ-P. モントーヤが同時にピットインしてしまったため、J-P. モントーヤは順位を落としてしまた。35周目にセーフティカーが抜けたが、その直後37周目に今度はトロ・ロッソのV. リウッティが大クラッシュ。今レース4回目のセーフティカーが入った。この時点でトップのF. アロンソと2位のK. ライコネンは順位を維持し、トヨタのラルフ・シューマッハが3位に順位を上げた。R. シューマッハを追いかけていた4位のJ-P. モントーヤは、46周目にM. シューマッハがクラッシュした最終コーナーで縁石に乗り上げてスピードが落ちてしまい、コントロールラインを通過したところでマシンが止まり、リタイアしてしまった。

結局このまま上位3台の順位は変わらず、F. アロンソが今季2勝目を挙げ、ルノーは開幕3連勝を飾った。2位にはK. ライコネンが入り、3位はR. シューマッハだった。

上位3台がフィニッシュする中、ファイナルラップではG. フィジケラと5位争いをしていたJ. バトンが、最終コーナー手前で白煙が上がり、更にホームストレート上では炎が上り、フィニッシュラインの僅か手前でマシンを止めてしてしまった。J. バトンは完走扱いとなったものの10位に終わった。

スーパーアグリ佐藤琢磨(日本)と井出有治(日本)は12位と13位でそれぞれフィニッシュし、第3戦で初の2台完走を成し遂げた。

オートスポーツWEBによると、レース後、レッドブルのD. クルサードがイエローフラッグ区間でトロ・ロッソのS. スピードに追い越されたと訴えたため、国際自動車連盟(FIA)はヒアリングを行った。ここでD. クルサードの主張が認められ、S. スピードには25秒のタイム加算ペナルティを受け、8位から9位に降格し、今期初ポイントを失った。さらにS. スピードはヒアリング中に暴言を吐いたとされ、FIAから罰金が科せられた。また、佐藤琢磨はブルーフラッグを無視したとされ、懲戒処分が下ったという。

第4戦サンマリノGPは4月21日にイタリアアウトドローモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリで開幕し、4月23日午後2時(UTC+1、日本時間午後9時)に決勝レースがスタートする。

決勝レース結果[編集]

  ドライバー コンストラクター タイヤ*1 タイム
1 スペイン F. アロンソ ルノー MI 1:34'27.870
2 フィンランド K. ライコネン マクラーレン MI 1:34'29.699
3 ドイツ R. シューマッハ トヨタ BS 1:34'52.694
4 ドイツ N. ハイドフェルド BMWザウバー MI 1:34'58.902
5 イタリア G. フィジケラ ルノー MI 1:35'06.291
6 カナダ J. ヴィルヌーヴ BMWザウバー MI 1:35'17.424
7 ブラジル R. バリチェロ ホンダ MI 1:35'19.774
8 イギリス D. クルサード レッドブル MI 1:35'21.853
9 アメリカ S. スピード トロ・ロッソ MI 1:35'46.687(ペナルティ)
10 イギリス J. バトン ホンダ MI 1周遅れ
11 オランダ C. アルバース ミッドランド BS 1周遅れ
12 日本 佐藤琢磨 スーパーアグリ BS 2周遅れ
13 日本 井出有治 スーパーアグリ BS 3周遅れ
DNF コロンビア J-P. モントーヤ マクラーレン MI 46周目リタイア
DNF ポルトガル T. モンテイロ ミッドランド BS 39周目リタイア
DNF イタリア V. リウッツィ トロ・ロッソ MI 37周目リタイア
DNF ドイツ M. シューマッハ フェラーリ BS 33周目リタイア
DNF オーストラリア M. ウェバー ウイリアムズ BS 23周目リタイア
DNF オーストリア C. クリエン レッドブル MI 5周目リタイア
DNF イタリア J. トゥルーリ トヨタ BS 1周目リタイア
DNF ドイツ N. ロズベルグ ウイリアムズ BS 1周目リタイア
DNF ブラジル F. マッサ フェラーリ BS 1周目リタイア
*1 MIミシュランBSブリヂストンを意味する。

ポイントランキング[編集]

ドライバーズポイント
  ドライバー 今GP 合計
1 スペイン F. アロンソ (ルノー) 10 28
2 イタリア G. フィジケラ (ルノー) 4 14
2 フィンランド K. ライコネン (マクラーレン) 8 14
4 ドイツ M. シューマッハ (フェラーリ) - 11
4 イギリス J. バトン (ホンダ) 0 11
6 コロンビア J-P. モントーヤ (マクラーレン) - 9
7 ドイツ R. シューマッハ (トヨタ) 6 7
8 ドイツ N. ハイドフェルド (BMWザウバー) 5 5
8 カナダ J. ヴィルヌーヴ (BMWザウバー) 3 5
10 ブラジル F. マッサ (フェラーリ) - 4
11 オーストラリア M. ウェバー (ウイリアムズ) - 3
12 ブラジル R. バリチェロ (ホンダ) 2 2
12 ドイツ N. ロズベルグ (ウイリアムズ) - 2
14 イギリス D. クルサード (レッドブル) 1 1
14 オーストリア C. クリエン (レッドブル) - 1
コントラクターズポイント
  コンストラクター 今GP 合計
1 フランス ルノー 14 42
2 イギリス マクラーレン 8 23
3 イタリア フェラーリ 0 15
4 日本 ホンダ 2 13
5 ドイツ BMWザウバー 8 10
6 日本 トヨタ 6 7
7 イギリス ウイリアムズ 0 5
8 オーストリア レッドブル 1 2

出典[編集]