2025参院選公示 物価高などの景気対策を最大の争点に17日間の選挙戦
【2025年7月4日】
第27回参議院通常選挙が7月3日に公示され、7月20日の投開票に向けた17日間の選挙戦がスタートした[1]。
今回の最大の争点としては、自民・公明の与党が非改選を含む過半数維持するのかと、野党が2024年秋の衆院選で石破茂政権を少数与党に追い詰めた勢いを今選挙でも再現できるかという点の他、一連の景気対策、特にトランプ・アメリカ大統領の関税政策や、消費税減税などの物価高対策も大きなテーマとなっており[2]、石破政権における政治姿勢の信が大きく問われることから「事実上の政権選択選挙」とする見方も大きい[3]。特に6月に行われた東京都議会選挙で自民党は獲得議席が過去最低だったことから、参院選の勝敗のラインを石破氏は「非改選を含めて与党過半数」と定めている[3]。また年金などの社会保障、少子化対策や、国会での結論が得られなかった企業・団体の献金問題などもテーマとして議論が交わされる[1]。
今選挙の投票日・7月20日は、7月21日に予定されている海の日を含む3連休の中間日に当たり、現在の憲法下では連休の中日の日曜日に争われる初の選挙となる[2]。
立候補者数
[編集]現在の参議院の定数は248議席で、今回はそのうちの124議席(各都道府県ごとの45選挙区74、比例代表区50)が改選対象。これに、東京都選挙区の欠員補充1議席を含めた125議席が争われる[2][3]。
今回の選挙の立候補者数は、改選125議席(東京都の補欠選挙分1を含む)に対して、総勢522人が立候補した。その内訳は選挙区が75人の定数(左記同文)に対して350人、比例区は50人の定数に16の政党・政治団体の172人が立候補した[1]。
これは過去7番目に多く、与党の自民党は前回・2022年度から3人減らし79人、公明党は前回と同じ24人。野党では立憲民主党が与党の過半数割れを目指して前回と同じ51人、日本維新の会は前回の46人から18人減らした28人にとどまった。また、日本共産党は立民党と競合する候補者は一部取り下げたため11人減の47人、国民民主党は19人増の41人、れいわ新選組は10人増の24人、参政党は5人増の55人、NHK党(前回82人)の流れをくむみんなでつくる党は1人のみ、NHKから国民を守る党は48人と候補者の絞り込みを諮った[4]。
また女性の候補者は全体に占める割合の29.1%に当たる152人で、前回の選挙(181人・33.2%)に次ぐ2番目の多さである[3]。
なお東京都は7議席を争うが、このうちの1議席は2024年の東京都知事選挙に立候補した蓮舫前議員の自動失職に伴う欠員補充のための補欠選挙を兼ねた「合併選挙」として扱われ、7番目に当選した議員については蓮舫氏が元来保有していた前回2022年の選挙当選者の任期の残り3年のみを担うことになるため、すでに保有している自民、公明、共産、れいわの各党公認候補が7位で当選した場合は、非改選議員と議席が重複し、3年後の2028年に予定される選挙での候補者の絞り込みが必要となる可能性もあり、ある共産党現職の女性候補は「7番目なら3年後に改選する議員と改選が重なります。6位以内で勝たせなければなりません」と訴えている[5]。
以下は各党・団体別の立候補者数の内訳(諸派を除き、与野党別の比例区届け出順)[1][4]。
与野党別 | 政党・団体名 | 立候補 総数 |
選挙区 | 比例区 | (特定枠) [注 1][1] |
---|---|---|---|---|---|
与党 | 公明党 | 24 | 7 | 17 | |
自民党 | 79 | 48 | 31 | (2) | |
野党 | |||||
共産党 | 47 | 28 | 19 | ||
維新 | 28 | 15 | 13 | ||
無所属連 | 10 | 8 | 2 | ||
保守党 | 9 | 5 | 4 | ||
立民党 | 51 | 29 | 22 | ||
参政党 | 55 | 10 | 45 | ||
国民党 | 41 | 19 | 22 | ||
みらい | 15 | 12 | 3 | ||
誠真会 | 12 | 10 | 2 | ||
社民党 | 11 | 5 | 6 | ||
れいわ | 24 | 12 | 12 | (1) | |
改革党 | 10 | 9 | 1 | ||
再生 | 10 | 1 | 9 | ||
N党 | 48 | 45 | 3 | ||
みんな | 1 | 1 | 0 | ||
減税 | 1 | 1 | 0 | ||
その他諸派 | 10 | 10 | 0 | ||
無所属 | 36 | 36 | - |
- 脚注
- ↑ 政党・団体が予め決めた順位に沿って優先的に当選確定が約束される候補
以下は公示前の党派別勢力(諸派・無所属を除き、与野党別に所属議員の多い順)[3]。
与野党別 | 政党・団体名 | 総数 | 改選 | 非改選 |
---|---|---|---|---|
与党 | 自民党 | 114 | 52 | 62 |
公明党 | 27 | 14 | 13 | |
与党系無所属 | 1 | 1 | 0 | |
野党 | 立民党 | 38 | 22 | 16 |
維新 | 17 | 5 | 12 | |
共産党 | 11 | 7 | 4 | |
国民党 | 9 | 4 | 5 | |
れいわ | 5 | 2 | 3 | |
参政党 | 2 | 1 | 1 | |
社民党 | 2 | 1 | 1 | |
保守党 | 0 | 0 | 0 | |
その他諸派 | 2 | 1 | 1 | |
野党系無所属 | 10 | 6 | 4 | |
その他無所属 | 1 | 0 | 1 | |
欠員 | 9 | 8 | 1 |
情報源
[編集]- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 NHKより
- ↑ 2.0 2.1 2.2 時事通信「参院選公示、過半数焦点に 与党か野党か、20日投開票―物価高・関税で論戦【25参院選】」より
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 朝日新聞より
- ↑ 4.0 4.1 時事通信「候補者数、過去7番目 国民民主が積極擁立【25参院選】」より
- ↑ 産経新聞より
- NHK NEWS WEB 『参議院選挙 公示 選挙区・比例 計522人が立候補 投票は20日』 — 日本放送協会, 2025年7月3日 19時46分
- 時事ドットコム(時事通信編集局) 『参院選公示、過半数焦点に 与党か野党か、20日投開票―物価高・関税で論戦【25参院選】』 — 時事通信社, 2025年7月3日 12時11分
- asahi.com 『参院選公示「与党で過半数」めぐり攻防 野党、議席増で勢力拡大狙う』 — 朝日新聞, 2025年7月3日 5時00分(2025年7月3日 20時47分更新)
- 時事ドットコム(時事通信政治部) 『候補者数、過去7番目 国民民主が積極擁立【25参院選】』 — 時事通信社, 2025年07月03日 20時31分
- 産経新聞ニュース 『参院選東京、今回は7位も当選 ただし任期3年 共産陣営「6位以内じゃないと議席重複」』 — 産経新聞, 2025年6月26日 11時26分