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高市早苗首相誕生 日本の憲政史上初の女性首相

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)
高市早苗新首相(左)と石破茂前首相(2024年12月の自民党総裁選時撮影)

【2025年10月21日】

日本国会首相指名選挙が10月21日に両院で行われ、自民党総裁の高市早苗氏が第104代首相に任命された。日本の女性首相は憲政史上初となる[1]

首相指名選挙に先駆け、石破茂前首相内閣の総辞職が行われ、臨時国会が召集された。石破氏の首相在籍期間は386日で戦後就任した36人の首相の中では13番目の短命政権となった[1]

首相指名選挙は衆議院から行われ、1回目の投票で高市氏が過半数の233票を上回る237票を獲得し、決選投票に持ち込むことなく首相指名が確定。次いで参議院は1回目では過半数124票に届いた候補がいなかったため、123票の高市氏と、次点で44票の立憲民主党党首・野田佳彦氏との決選投票となったが、高市氏が125票を集めて首相指名が確定し、次期首相に正式に選定された[2]

高市氏は去る9月、石破氏が辞意を表明したことを受けて行われた自民党総裁選に立候補し、3度目の挑戦で総裁に初選出。当初は公明党との「自公連立」で首相任命がほぼ確実な情勢にあった。しかし10月10日に公明党が連立離脱をしたため政局の更なる混乱を招いたが、日本維新の会との連立を組むことで10月20日に合意し、無所属議員による衆議院の会派「有志・改革の会」の3人の議員も首相に高市氏を推すことが表明されたことも追い風となった[1]

高市氏は皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て早速組閣に入り、片山さつき氏を財務相に起用して女性登用の目玉とするほか、官房長官には防衛相出身の木原稔氏、総裁選を争った元幹事長の茂木敏充(もてぎ・としみつ)氏を外相小泉進次郎農水相は防衛相、林芳正官房長官は総務相にそれぞれ充てた。このほか、40-50代の議員を中心に10人が初入閣した。女性の閣僚は高市氏を除けば片山氏と、元防衛政務官小野田紀美(おのだ・きみ)氏の2人だけにとどまり、派閥裏金に関わった議員は今回登用を見送っている[3]

ただ、引き続き衆参両院での過半数に満たない「少数与党」であることには変わらず、連立を組む維新も今回は「閣外協力」で関与するにとどまるが、連立合意の協議のもとで「臨時国会で衆議院の定数を1割減らす」法案の提出と成立を目指すことも明記している。これに関して自民党の鈴木俊一幹事長は「小選挙区の定数を削減するのはなかなか難しい」とする見解を示している。比例区だけで定数を削減すると、中小の政党から反発を食らう可能性が高く、国会審議紛糾の恐れが考えられる[4]

また外交に関しては、中国外務省の郭家坤報道官が「首相指名選挙の結果は注視しているが、それは日本の内政問題」としたうえで、「中国と日本は近隣国だ。歴史問題と台湾問題に関する政治的約束を、日本が順守することを望む」とコメントした。高市氏は今年台湾を訪れたときも「極めて重要なパートナーであり、大切な友人」と述べているほか、靖国神社参拝などで中国との対立を招いている。ただ、首相指名選前に行った秋の例大祭の時には玉ぐし料を私費で収めたものの、近隣諸国への影響を意図してか参拝を見送っているが、この時も中国外務省は「厳重な抗議を申し入れた」としている。また石破氏の指名を楽観的に受け止めていた韓国の報道も、高市氏が韓国の感情を逆なでするのではないかとする警戒感を示している[1]

首相指名選挙の結果

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衆議院(投票総数465・過半数233)[1][5]
候補者 得票数
第1回
高市早苗(自民) 237
野田佳彦(立憲) 149
玉木雄一郎国民 28
斉藤鉄夫(公明) 24
山本太郎れいわ 9
田村智子共産 8
吉良宗司(無所属) 3
神谷宗幣参政 3
河村たかし保守 2
松原仁(無所属) 1
百田尚樹(保守) 1
参議院(投票総数246・過半数124)[1][5]
候補者 得票数
第1回 決選
高市早苗(自民) 123 125
野田佳彦(立憲) 44 46
玉木雄一郎(国民) 25 -
斉藤鉄夫(公明) 21
神谷宗幣(参政) 15
田村智子(共産) 7
山本太郎(れいわ) 6
安野貴博みらい 2
百田尚樹(保守) 1
福島瑞穂社民 1
白票 1 28
無効(※) - 47
(※)決選投票対象の2名以外の候補者を記した票[1]

情報源

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  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 イギリスBBC日本語版より
  2. 産経新聞より
  3. 時事通信より
  4. 東京新聞より
  5. 5.0 5.1 日刊スポーツより