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ウィキニュース、21年の歴史に幕を閉じる

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2026年5月3日】

この記事は、ウィキメディア財団もしくはそのプロジェクトについて扱っています。

ウィキニュースも財団のプロジェクトのひとつであることにご注意ください。

ウィキニュースのロゴ。2005年1月から2月にかけて行われたロゴコンテストによりコミュニティで採用されたもの。

ウィキニュースプロジェクトは、ウィキメディア財団理事会が3月30日に全言語版の閉鎖を最終決定したことを受け、5月4日に閉鎖される予定である。コンテンツおよびコミュニティの移行先については、ウィキメディアのメタウィキ上で引き続き議論が行われている[1]

ウィキニュースは、ウィキペディアウィクショナリーウィキメディア・コモンズなどと並ぶ姉妹プロジェクトとして、自由なニュースの提供を目的に運営されてきた。

2025年7月、ウィキメディア財団のタスクフォースはプロジェクトの閉鎖を提言し[2]公開意見募集が実施された[3]。その後の検討を経て、理事会は3月、運営中であった31言語版を無期限で読み取り専用とすることを発表した[4]

発表メッセージの中で、理事のVictoria Doronina氏は次のように述べた。

長年にわたりウィキニュースに参加し、ウィキメディア運動の中で共同ジャーナリズムという独自の試みを築いてきたすべての貢献者に感謝します。この決定に失望する方がいることも理解しています。残念ながら、このプロジェクトは当初の期待を十分に実現することができず、その多くの機能はウィキペディアにおけるニュース記述に置き換えられていきました。


We thank all contributors who have participated in Wikinews over the years and helped build a unique experiment in collaborative journalism within the Wikimedia movement. We understand that some of them may be disappointed by this decision. To our regret, the project wasn't able to fulfil its promise, and many of its functions were eclipsed by the notable news coverage in Wikipedias.

Victoria Doronina氏、発言

ウィキニュースは2004年11月に開始された。最初の提案は2003年1月に匿名の投稿者によって行われ、コミュニティ投票では賛成151、反対59で承認された後[5]、2004年10月にデモサイトが公開された。英語版は同年12月2日に正式に開設され、翌日にはドイツ語版が続いた[6]

プロジェクト初期の発展は、2004年末から2005年初頭にかけての一連の議論と節目に沿って進められた。2004年10月26日にはコンテンツライセンスに関する意見調査が始まり、プロジェクトの範囲や方針についての議論と並行して行われた[7]。初期のデモサイト(demo.wikinews.org)は、2004年12月2日に英語版ウィキニュースのドメインへ移行された[6]

2004年12月に英語版とドイツ語版が開始された後、2005年初頭にはオランダ語、フランス語、スウェーデン語、スペイン語、ブルガリア語、ポーランド語、ルーマニア語、ポルトガル語などの言語版が新たに作成され[6]、日本語版は同年7月14日に開設された。また、2005年2月にはロゴコミュニティ投票により採用された[8]

ウィキニュースは、古いものを壊すのではなく、新しいものを創り出したいという考えに基づいている。私たちは協力して、メディア環境を豊かにする優れた独自の資源を構築できると信じている……。私たちは市民ジャーナリストの理念を推進したい。なぜなら、誰もが世界で起きている出来事の全体像を描くために有益な貢献ができると考えているからである。


Wikinews is founded on the idea that we want to create something new, rather than destroy something old. It is founded on the belief that we can, together, build a great and unique resource which will enrich the media landscape… We seek to promote the idea of the citizen journalist, because we believe that everyone can make a useful contribution to painting the big picture of what is happening in the world around us.

ウィキニュース・マニフェスト、2004年

ウィキニュースの記事の多くは他の報道機関からの情報をまとめたものであったが、独自取材も行われていた。例えば英語版では、当時イスラエル大統領であったシモン・ペレス、米国上院議員サム・ブラウンバック、ジャーナリストゲイ・タリーズ、声優ビリー・ウェストなどへのインタビューが掲載された[9]。また、2005年の記事は、ウィキペディア共同創設者ジミー・ウェールズにより、ウィキニュース初のスクープとして言及されている[10]。日本語版においても複数の独自取材が行われた[11]

一方で、ウィキニュースは長年にわたり、姉妹プロジェクトであるウィキペディアに比べて成功を収められていないとの批判もあった。2010年のインタビューで研究者のアンドリュー・リー氏は、「ウィキの仕組みが締切や共同での物語的執筆に適しているかは明確ではない」と述べ、「それがウィキペディアンがウィキニュースのような組織に寄稿する際の緊張を生んでいる」と指摘した[12]

閉鎖発表時点で、31言語版全体のアクティブ編集者は約700人にとどまっていたと報じられている[13]


この記事は英語版ウィキニュースからの翻訳です。

情報源

  1. Migration of Wikinews and future hosts』 — メタウィキ, 2025年5月3日閲覧
  2. Wikimedia Foundation considers closing Wikinews』 — The Desk, 2025年7月11日, 2025年5月3日閲覧
  3. Public consultation about Wikinews』 — メタウィキ, 2025年5月3日閲覧
  4. 「Wikimedia Foundation Board noticeboard」の版間の差分』 — メタウィキ, 2025年5月3日閲覧
  5. Wikinews/Vote』 — メタウィキ, 2025年5月3日閲覧
  6. 6.0 6.1 6.2 Wikinews』 — メタウィキ, 2025年5月3日閲覧
  7. Wikinews/License straw poll』 — メタウィキ, 2025年5月3日閲覧
  8. Wikinews logo contest voting』 — メタウィキ, 2025年5月3日閲覧
  9. The Wikinews Ace』 — Columbia Journalism Review, 2009年1月27日, 2025年5月3日閲覧
  10. The Unassociated Press』 — The New York Times, 2005年2月10日, 2009年4月15日アーカイブ, 2025年5月3日閲覧
  11. カテゴリ:独自の取材』 — ウィキニュース, 2025年5月3日閲覧
  12. Why Wikipedia beats Wikinews as a collaborative journalism project』 — NiemanLab, 2010年2月8日, 2025年5月3日閲覧
  13. Wikimedia Foundation is shutting down news project Wikinews』 — heise online, 2026年4月8日, 2025年5月3日閲覧