高校野球の名門 大分・柳ヶ浦高校の生徒ら乗車のバス横転 1人死ぬ

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2009年7月11日】 読売新聞によると、7月11日午前8時半ごろ(UTC+9)、大分県日出町(ひじまち)大分自動車道日出ジャンクション付近で、地元の私立柳ヶ浦高校野球部員らが乗った大型バスが横転する事故があった。この事故で生徒1人が死亡、42人が重軽傷した。

読売が柳ヶ浦高校の調べとして伝えたところ、死亡したのは野球部員の2年生の16歳の男子生徒。野球部員はこの日から新大分球場で開幕した全国高校野球選手権大会大分県大会の開会式に参加するために移動しており、野球部員を含む生徒ら77人は同高校が所有するバス2台に分乗しており、今回の事故を起こしたバスにはレギュラー選手以外の部員ら46人が乗車していたという。この事故で、大分県警は同高校野球部副部長・不破大樹(ふわ・だいき)容疑者(26歳)を自動車運転過失致傷の疑いで逮捕した。大分合同新聞によると、不破容疑者は今後容疑を過失致死に切り替えて調べる。

大分合同によると、事故現場は宇佐別府道路から大分道へ流入する路線で、片側2車線の緩やかな左カーブ。制限速度は40キロだった。当時雨が降っており、バスは左側の側壁に激突後、右側の側壁にも当たり、車体の左側に下敷きになって横転したという。事故の犠牲になった生徒はバスの左後部にいて、事故の衝撃で車外に投げ出され、頚椎(けいつい)損傷を負って死亡した。

大分合同によると、高橋和治校長先生は「開会式の会場で事故の知らせを受けた。全員無事でいる事を祈っていたが、大変申し訳なく心配している」とコメントしている。また野球部の部長・野中宣孝さんは「生徒に迷惑をかけて申し訳ない。事故に遭った生徒が無事であればと思っている」と話した。なお、柳ヶ浦高校は7月13日に初戦を行う予定だった。

不破副部長「速度を出しすぎた」[編集]

読売新聞によると、逮捕・送検された不破副部長は大分県警の調べに対して「速度を出しすぎてハンドルの操作を誤った」と供述しているという。不破副部長は2008年4月に同高校に採用され、その後大型自動車の免許を取得。同じ年の6月から野球部員を大型バスに乗せて運転していた。なお、この同年6月から行われている改正道路交通法では後部座席についても原則シートベルト着用を義務付けているが、製造年度の古いバスは、それがない場合でも取り締まり対象とはなっておらず、今回の事故のあったバスも1991年に登録されてベルトがなかったものであった。

柳ヶ浦高校初戦は延期に[編集]

NHKによると、大分高校野球連盟は7月12日に役員会を開催し、柳ヶ浦高校の出場する予定の試合を当初の7月13日から2日ずらして15日に延期すると発表した。当初大分高野連は柳ヶ浦高校の試合は14日に延期する方向だったが、選手のダメージが大きいという理由で更にもう1日延期する事になった。しかし、学校側は同大会の参加辞退を含め対応を検討している。また7月12日に開催された試合の前に、試合会場では選手や観客ら全員が死亡した男子生徒を追悼するための黙祷をささげた。

情報源[編集]