阿久根市の竹原信一市長がブログで障害者差別の主張を展開、障害者団体などが反発

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2009年12月3日】

読売新聞毎日新聞によると、鹿児島県阿久根市竹原信一市長(50歳)が、自身のブログに「高度医療障害者を生き残らせている」など、障害者の出生を否定するような独自の主張を展開している。このブログに対して障害者団体は反発しており、同市議会でも追及の動きが出るなど波紋が広がっている。

毎日新聞によると、問題の記述は11月8日UTC+9、以下同様)付。竹原市長はブログ中で、医師不足解消策として勤務医給与増額が議論されていることを批判する記述をしていたが、この中で「高度医療のお蔭で、以前は自然に淘汰されていた、機能障害を持った人を生き残らせている。その結果、擁護(原文ママ)施設に行く子供が増えてしまった」と記述。さらに「『生まれる事は喜びで、は忌むべき事』というのは間違いだ」と、持論も展開した。さらに翌9日付では、自身の発言を批判する読者からのメールを紹介した上で、「慎重さを欠く見解に見えたかもしれない」と記述したが、なおも「高度医療が、多くの人々に高い精神性を追求せざるを得ない機会を与えているのは現実だ」と持論を続けた。

読売新聞によると、知的障害者の家族で構成する『全日本手をつなぐ育成会』(本部:東京都)の大久保常明常務理事は、「人類繁栄のため優れた子孫だけを残そうとする、かつての優生思想そのもの。命の重さを踏み躙っており、公人の意見とは思えない」と批判。阿久根市身体障害者協会(約1,050人)の桑原祐示会長も、「差別意識も甚だしい」と反発しており、役員会で対応を協議し始めた。また、同市議会の木下孝行市議も、竹原市長に対して説明と謝罪を要求し、14日から始まる市議会一般質問で追及することにしている。

読売新聞によると、竹原市長は、「養護学校に勤めている人から聞いた情報をそのまま書いたもので、事実だと思う。障害者を死なせろとかいう話ではない」と説明している模様である。

毎日新聞によると、竹原市長のブログは、過去にも「やめさせたい市議」実名アンケートなどが行われるなどしており、度々物議を醸している。

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