女子野球W杯の試合中、流れ弾が香港選手の脚に当たる - 日本は出場を継続

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2010年8月15日】

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ウィキペディア第4回IBAF女子ワールドカップに関する記事があります。

共同通信日刊スポーツによると、ベネズエラで開催中の野球第4回女子ワールドカップ(W杯)で、13日(現地時間、以下同様)に、首都カラカスでの香港オランダの試合中、の流れが香港選手の脚に当たる事件が発生した。

日刊スポーツによると、1次リーグA組で香港とオランダとが対戦していたが、その最中、何者かの発砲による流れ弾が香港選手のふくらはぎに当たり、全選手が緊急避難した。選手の命に別条は無いものの、関係者に与えた衝撃は大きく、この日予定していた2試合と、翌14日の全5試合を延期した。国際野球連盟(IBAF)は、14日に善後策を話し合うが、かねてより懸念されていた治安情勢に不安が露呈した形となった。

共同通信によると、AP通信が伝えた香港での報道では、香港選手に当たった流れ弾は、病院で除去された模様で、1日で退院できる見込みという。

共同通信によると、今回の大会は、11チームが参加して12日に開幕。1次リーグは、カラカスと、カラカスの西に位置するマラカイで開催。22日に最終日を迎える予定である。前回大会優勝の日本は、1次リーグB組でマラカイに滞在中で、13日はキューバを3-1で下した。事件の直接の影響は無いものの、宿舎警備が厳重になった模様である。また、日刊スポーツによれば、日本チーム関係者は「セキュリティは万全だったので、事件はまさかという感じ」と驚いた様子で、また、日本選手は、香港代表とは交流があり顔見知りの選手が多く、「動揺している選手もいる」と、他人事ではなさそうで、不安を募らせていた。

日刊スポーツによると、今回の事件は、ベネズエラ軍施設内の球場で発生したため、演習中の流れ弾との見方があるが、一方で、観客が発砲した可能性も否定できない。付近には銃撃事件が多発するスラム街があり、2次リーグ以降は全て事件の発生した球場を使用する予定である。出場国の中には、途中帰国の動きが出ており、日本も慎重な姿勢を取った。同関係者は「国の公的機関の指示を仰いだ上で判断したい」と話し、現地大使館外務省から退避勧告が出た場合には、安全確保を最優先に協議することを決めた。

日刊スポーツによると、事件の翌14日に、ベネズエラのロドリゲス・スポーツ相は、開催地をマラカイに限定し、15日から試合を再開すると発表した。香港は安全上の理由から今後の出場を取りやめ、今後は10チームで争う事になった。試合数をほぼ倍に増やすことで、決勝戦は当初予定通り22日実施に漕ぎ着けるという、異例の大会運営となった。

情報源[編集]