ミハエル・シューマッハが接戦を制す、2006年F1第4戦サンマリノGP

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2006年4月24日】

アウトドローモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ(イモラサーキット)のコースレイアウト(GFDL)

4月21日からイタリアアウトドローモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ(イモラサーキット)で開幕したF1サンマリノGPは22日に予選が行われ、23日の午後2時(UTC+2、日本時間午後9時)に決勝レース(62周、305.609km)がスタートした。勝ったのは通算66度目のポールポジションを獲得し、世界記録を更新したフェラーリミハエル・シューマッハドイツ)だった。M. シューマッハは2005年のアメリカGP以来13戦振りの優勝をポールトゥーウィンで飾った。

22日に行われた予選では、1次予選を通過したマクラーレンキミ・ライコネン(フィンランド)は2次予選で1分23秒190の好タイムを出しトップに立つと、M. シューマッハが1分22秒台のタイムをマークしトップに。勢いに乗ったM. シューマッハは最終予選で1分22秒795のタイムを出しトップに立った。ホンダジェンソン・バトン(イギリス)は1分22秒988をマークするも及ばず、2位となった。結局、M. シューマッハのタイムは破られず、1994年に故アイルトン・セナ(ブラジル)がレース中の事故で死亡したイモラサーキットで、A. セナの記録を破る通算66度目のポールポジションを獲得した。

23日、好天に恵まれ、気温27℃、路面温度43℃というコンディションの中、午後2時(UTC+2)に決勝レースがスタートした。スタート直後、3番グリッドでスタートしたホンダのルーベンス・バリチェロ(ブラジル)はフェラーリのフェリペ・マッサ(ブラジル)とルノーフェルナンド・アロンソ(スペイン)にかわされ、この時点で5位に後退した。M. シューマッハがトップをキープする中、後方ではミッドランドクリスチャン・アルバース(オランダ)とスーパーアグリ井出有治(日本)が接触し、C. アルバースのマシンが宙を舞う大クラッシュ。大破したマシンは逆さまになり止まったが、奇跡的にC. アルバースは無事だった。井出有治はピットインし、タイヤ交換を行いコースに復帰するが、この接触でサスペンションにダメージを負ってしまい、23周目でリタイアした。このクラッシュの影響で1周目からセーフティカーが入った。

3周目にセーフティカーが抜けと、M. シューマッハは周回の最速タイムを更新し、2位J. バトンとの差を広げた。15周目にR. バリチェロがピットインすると、16週目にはJ. バトンが、F.アロンソと順位争いをしていたF. マッサは19周目に、更にトップを走行していたM. シューマッハは20周目にそれぞれピットインした。上位のマシンが続々とピットインするなか、まだピットインしていないF. アロンソがトップに立った。F. アロンソは25周目にピットインするが、M. シューマッハにかわされ、2位となった。31周目にはJ. バトンが2回目のピットインを行うも、ノズルが給油口に入ったまま走り出してしまい、大きくタイムをロスし順位を落とした。

レース中盤以降、1位M. シューマッハ、2位F. アロンソの順位は変わらなかったが、M. シューマッハはペースが上がらず、一時10秒以上あったタイム差が35周目には1秒以内にまで縮まった。F. アロンソは抜く機会を伺っていたが、M. シューマッハは隙を見せず、依然トップをキープしていた。この状況からルノーはF. アロンソをM. シューマッハより先にピットインさせることを決断し、41周目にピットインをさせた。これを見たM. シューマッハは翌42周目にピットイン。F. アロンソは追い上げるがピット作業中にかわすことができず、M. シューマッハが先に第1コーナーに飛び込んだ。

最後まで接近戦を演じた新旧王者の2人だったが、F. アロンソのミスもあり、結局、1位M. シューマッハ、2位F. アロンソで走り終えた。2005年のサンマリノGPも2人の接戦が演じられ、F. アロンソが競り勝ったが、今回はM. シューマッハに軍配があがり、見事ポールトゥーウィンで2005年アメリカGP以来13戦振りの勝利を飾った。3位にはマクラーレンのファン・パブロ・モントーヤ(コロンビア)が入った。

スーパーアグリの佐藤琢磨は44周目にメカニカルトラブルでリタイアし、4戦目で初の2台リタイアとなった。

第5戦ヨーロッパGPドイツニュルブルクリンクで5月5日に開幕し、5月7日午後2時(UTC+2、日本時間午後9時)に決勝レースがスタートする。

決勝レース結果[編集]

  ドライバー コンストラクター タイヤ*1 タイム
1 ドイツ M. シューマッハ フェラーリ BS 1:31'06.486
2 スペイン F. アロンソ ルノー MI 1:31'08.582
3 コロンビア J-P. モントーヤ マクラーレン MI 1:31'22.354
4 ブラジル F. マッサ フェラーリ BS 1:31'23.582
5 フィンランド K. ライコネン マクラーレン MI 1:31'24.010
6 オーストラリア M. ウェバー ウイリアムズ BS 1:31'44.225
7 イギリス J. バトン ホンダ MI 1:31'46.121
8 イタリア G. フィジケラ ルノー MI 1:31'46.686
9 ドイツ R. シューマッハ トヨタ BS 1:31'51.997
10 ブラジル R. バリチェロ ホンダ MI 1:32'24.337
11 ドイツ N. ロズベルグ ウイリアムズ BS 1:32'26.161
12 カナダ J. ヴィルヌーヴ BMWザウバー MI 1:32'28.856
13 ドイツ N. ハイドフェルド BMWザウバー MI 1周遅れ
14 イタリア V. リウッツィ トロ・ロッソ MI 1周遅れ
15 アメリカ S. スピード トロ・ロッソ MI 1周遅れ
16 ポルトガル T. モンテイロ ミッドランド BS 2周遅れ
DNF イギリス D. クルサード レッドブル MI 47周目リタイア
DNF 日本 佐藤琢磨 スーパーアグリ BS 44周目リタイア
DNF オーストリア C. クリエン レッドブル MI 40周目リタイア
DNF 日本 井出有治 スーパーアグリ BS 23周目リタイア
DNF イタリア J. トゥルーリ トヨタ BS 5周目リタイア
DNF オランダ C. アルバース ミッドランド BS 1周目リタイア
*1 MIミシュランBSブリヂストンを意味する。

ポイントランキング[編集]

ドライバーズポイント
  ドライバー 今GP 合計
1 スペイン F. アロンソ (ルノー) 8 36
2 ドイツ M. シューマッハ (フェラーリ) 10 21
3 フィンランド K. ライコネン (マクラーレン) 4 18
4 イタリア G. フィジケラ (ルノー) 1 15
4 コロンビア J-P. モントーヤ (マクラーレン) 6 15
6 イギリス J. バトン (ホンダ) 2 13
7 ブラジル F. マッサ (フェラーリ) 5 9
8 ドイツ R. シューマッハ (トヨタ) 0 7
9 オーストラリア M. ウェバー (ウイリアムズ) 3 6
10 ドイツ N. ハイドフェルド (BMWザウバー) 0 5
10 カナダ J. ヴィルヌーヴ (BMWザウバー) 0 5
12 ブラジル R. バリチェロ (ホンダ) 0 2
12 ドイツ N. ロズベルグ (ウイリアムズ) 0 2
14 イギリス D. クルサード (レッドブル) - 1
14 オーストリア C. クリエン (レッドブル) - 1
コントラクターズポイント
  コンストラクター 今GP 合計
1 フランス ルノー 9 51
2 イギリス マクラーレン 10 33
3 イタリア フェラーリ 15 30
4 日本 ホンダ 2 15
5 ドイツ BMWザウバー 0 10
6 イギリス ウイリアムズ 3 8
7 日本 トヨタ 0 7
8 オーストリア レッドブル 0 2

出典[編集]