ダルフール情勢: 和平交渉に実質的進展なし、国連高官から国際社会に協力の呼びかけ

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)
ダルフールの位置、薄緑の部分

【2005年10月22日】

スーダン西部のダルフール地方でおきている紛争に関し、スーダン政府と2つのアフリカ系武装勢力により行われた和平交渉は、20日予定の日程を終わった。ナイジェリアのアブジャで開かれた第6回和平交渉は、アブジャで11月20日に再開することが決まった。AGI通信は、中断の理由を武装勢力側がラマダーンを祝うためと伝えている。の

米FOX Newsなどは、人権問題と、政府から武装勢力への権力の配分に一定の進展があったほかには、実質的な進展はなかったと伝えている。また、武装勢力のひとつ「スーダン解放運動」が今年分裂したことが事態を複雑化させていると伝えている。

またアフリカ連合(AU)は、20日、スーダンでの平和維持活動を予定より3ヶ月延長し、来年1月20日まで行うことを決定した。AUは、昨年より2005年10月20日まで1年間の予定で平和維持活動をダルフールで行っており、20日現在6,000人の平和維持隊員がダルフールにいる。

アントニオ・グテレス国連高等難民弁務官は、21日ロンドンで記者会見を開き、ダルフール情勢はきわめて憂慮すべき状態にあると発言した。ロイター=ペニンシュラ紙などによれば、グテレス国連高等難民弁務官は、「すべてが統制を失いつつある。これは双方の陣営に言える」「危機的な時期は、いまから年末までだろう」との認識を示し、ダルフールの人々を救うために国際社会が動くことが必要であると強く主張した。

またIRIN=ロイターによれば、コフィー・アナン国際連合事務総長も、21日安保理への報告書のなかで、ダルフールにおいて、政府軍とスーダン解放運動/軍(SPLM/A)を含む反政府武装勢力との衝突が、程度と頻繁さにおいて「2005年1月以来見られたことのない水準」に達したと述べ、これを改善するために、国際社会に対し「直ちに、協調の取れた、決定的な」努力を促した。国連によれば、紛争により330万人が影響を受け、180万人が住居を失っている。また20万人が隣国のチャドに難民としてとどまっている。

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